東日本大震災から11年が経った3月16日の深夜、福島県沖を震源とするM7.3もの大きな地震がありました。「非常用の備蓄だけでなく、防災リュックもその都度見直しが必要だと感じ、もうすぐ1歳の子どもがいる今のわが家に合うものを準備しました」と話すのは、熊本市在住のライター・松野久美さん。今回は、熊本地震を経験した松野さんが考えた非常用の防災リュックについて教えてもらいました。
すべての画像を見る(全10枚)荷物はなるべく軽く。灯りとスマホの充電は切らさない!
体重が10kgのわが子を抱っこして避難することを考えると、両手があくリュックはマストです。
(1) スマホとバッテリー類
(2) 衛生&避難グッズ
(3) 子ども関連グッズ
必要なものを重すぎない程度に準備し、夜間に避難して6~8時間を自宅外で過ごすことも想定。大きく分けて上記の3つにポイントを置いて、リュックにそろえてみました。
●スマホと充電グッズはマスト
熊本地震の際、SNSやネットで情報収集をしたり、家族や友だちと連絡を取り合ったり、自宅の被害状況を写真に撮ったりとスマホはフル稼働でした。子どもに好きな動画を見せて過ごしていた、という声もあとから聞いたので充電は必須。
モバイルバッテリーは、5000mAhのものならiPhone12は約1回程度の充電ができるそう。普段使いもしているので、使ったら充電しておいて避難するときに持ち出そうと思います。
延長コードはスマホとモバイルバッテリーを一度に充電しても気兼ねないですし、他の人と共有して使えます。コードもスマホとモバイルバッテリーの両方を用意しました。
●避難をサポートしてくれるグッズは厳選
先日の宮城・福島沖を震源とした地震により、停電した地域も多々ありましたよね。ニュースでは、コンビニなどに懐中電灯を買い求める人が多かったと報道していましたし、突然の地震による停電に備えて灯りは重要。
スマホ内蔵のLEDライトは、バッテリーが十分にあれば消耗はそこまで激しくないようですが、充電は大事にしたいもの。わが家ではリビングと寝室に常備しているので、防災リュックには懐中電灯が一体型になったラジオ(手回し充電ができるタイプ)を用意しました。それぞれ明るさが違うので、3つを上手に併用しようと思います。
義姉は熊本地震の際、当時2歳の子どもと夜間の公園に避難していました。地面が夜露で濡れて、4月といえども寒かったそう。レジャーシートだけではお尻が冷えるので、タオルがあれば重ねて少しは寒さを回避できた、と言っていました。
【タオルが活躍するシーン】
・はおって防寒対策
・避難所では敷物代わり
・目隠し
・日除け
・おむつ替えシート
・子どものスタイ代わり
タオルはほかにもいろいろなシーンで活躍するので、大きさ違いで用意しました。
ペットボトルは給水を受けられたときのために空の500mlを1本。熊本地震のときは避難先で給水を受けるには容器持参が条件でしたし、子どものおもちゃの代わりにもなるので入れておきます。
また災害時は停電や故障によってコンビニなどでレジが使えないこともしばしば。熊本地震から6年経って私もキャッシュレス決済することが多くなったので、災害時に困らないよう、硬貨を多めに2,000~3,000円ほど用意しました。
そのほか、散乱した瓦礫やガラスから素手を守る軍手と、危険を知らせるための笛も入れました。災害時はヘリコプターや救急車の音が多く、また万が一瓦礫に埋もれたら、瓦礫に阻まれて自分の声はあまり届かないようです。
ネットで調べるとほかにも避難グッズはたくさん出てきます。どれも必要ですが、その中から「小さい、軽い、万能、ないと困る」これらを条件にピックアップしてみました。