●関さんが目指す「理想の生活」とは?

声優として第一線で活躍し続ける関さんですが、そのキャリアを振り返ったときに、ポイントとなったのは「スネ夫」役に抜擢されたことをあげます。

関智一さん5
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「もちろん、初めてデビューにつながったような大きい役をもらった瞬間というのもそうですが、『ドラえもん』に決まったのは一個大きい節目になりましたね。演じている役柄も、いわゆるアニメのかっこいいヒーローみたいなところから、ファミリー向けのお子さんたちにも楽しんでもらえるような作品に役柄もシフトしていくようなタイミングにあたっていたので、これから先の自分の声優としての立ち位置も考えさせられました

自身の役の幅を広げたスネ夫も17年目に突入し、関さんも今年で50代になります。

「今までは仕事を中心に一生懸命やってきました。お芝居をすることは好きだから趣味の延長線上にありますが、そのほかにもいくつか自分の好きなものがあるので、興味が出てきたことも並行して楽しめる50代にしたいですね。人生をより豊かにして、お芝居にも生かせたらもっといいなって思ってます」

ポーズを取る関さん

「ただ、将来的には田舎に引っ越して、仕事で東京に出てくるけど、そのほかは郊外で野菜育てる…みたいな、老後も考え始めましたね。お試しじゃないですけど、家でプランターを買ってとうもろこしを育てました。毎日手をかけて、育て方を勉強しながら、僕も一緒に育っていくみたいな。ものすごく愛着がわいて、実ったときはうれしくて…味もとてもおいしかったです。あれもこれもやってみたいなって思うようになって、そうやって変わっていく自分も楽しいなって感じました」

●ふとしたことがきっかけで考え始めた「終活」

今を楽しみながらも未来を考える関さんですが、趣味で集めている模型やフィギュアがたまっていったことがきっかけで、「終活」についても考え始めたのだとか。

「今までがむしゃらに価値のあるものを集めてきたけど、『これを人にどう受け継いだらいいんだろう。僕のコレクションのゴールってなんだろう。これからどうするんだろう』って、ふと我に返ったときに考え始めました。もし急に自分になにかあった場合、人に託すためにも、分かるようにしとかなきゃいけないとなって思ったんですよね」

ポーズを取って微笑む関さん

残りの人生を冷静に数字で見たら、今まで生きてきた年数より多分短いかな…ってなると、謙虚な気持ちでいたから、この年まで手をつけなかったことや挑戦をひるんでいた部分もあったけど、躊躇していたらすぐに年を取ってしまうと思うと、自信がなくても積極的に挑戦すべきだって思いましたね。田舎に住みたいっていうのも、やり残しがないようにするための終活の一個です」

今まで自分が得てきた知識などを頼りに、これをどこにあげてほしいとか、ノートに書くために気持ちをまとめている最中なんだそう。「とにかく分量が膨大なので、それの価値の順位とかもつけてますね」と自身の終活方法も教えてくれました。

「僕は、終活をしながらも長生きしたいですね。ただ年を取って先細りではなく、これからどんどん広がっていきたいと思っています!」

そう答える関さんの真摯な態度はとてもすてきで印象的でした。今を最大限楽しみながらも将来をしっかり見据える関さんの今後の活躍が益々楽しみです!

 

『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021』

原作:藤子・F・不二雄/監督:山口晋/脚本:佐藤大

キャスト:ドラえもん:水田わさび、のび太:大原めぐみ、しずか:かかずゆみ、ジャイアン:木村昴、スネ夫:関智一 ほか

 

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