完全なバリアフリー設計で、家族皆の生活がスムーズに

バリアフリーの家を設計
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家を建てる際に、バリアフリーの家を設計することも大事なポイントでした。祖母や両親など、高齢者の多い家になるので、介護のことも考えておく必要があったからです。

高齢者にとってわずかな段差でも、つまずくことはよくあること。そして車イス生活になっても、スムーズに家の中を移動できるようにと考えました。

これは、介護される側だけでなく、介護する側の負担が減ることにもつながります。実際、いつも祖母の面倒を見ている母も、家の中に段差のないと、ひとつの空間のようで、移動がラクだと言っています。

 

廊下の幅は、車イスも通れる余裕のある85㎝に

85cmの幅のある廊下

祖母はまだ自身で歩けるので、家の中でも補助はほとんど必要ありません。でも、車イスになったときを想定して、ハウスメーカーの担当者には、事前に廊下幅なども相談しました。

廊下の幅は85cmを基準として設計してもらったので、車イス(手動タイプ)でも移動ができます。車イスのサイズは、手動か電動かによって異なります。想定している車イスの幅を、事前に確認しておくことをおすすめします。

 

祖母の使う部屋は、車イスでもあけやすい引き戸に

引き戸

祖母の部屋、LDK、トイレ、浴室はすべ引き戸を選択しました。

車イスになったときを想定し、開き戸だと動作に不便を感じるだろう、また引き戸であれば、よりスペースに余裕がもてると考えたからです。実際、祖母にとってもドアの開閉は、引き戸の方がラクのようです。

 

ソフトクローズ機能の引き戸

住み始めてからのことですが、引き戸にソフトクローズ機能をつけました。祖母がドアを思いきり開閉することがあり、その音が家族にもちょっとしたストレスになったからです。

ソフトクローザーを設置してからは、力強くしめても衝撃音がないので快適に過ごせています。あとづけできるものなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

車イスでも入れる広さ&自動洗浄機能のあるトイレに

トイレ

祖母の使用するトイレはパナソニック・アラウーノを採用しました。自動洗浄機能があるので立ち上がれば自動に洗浄してくれます。

壁には操作パネルがありますが、祖母にとっては、複雑で使いにくいので、自動洗浄はかなり便利だと言っています。またトイレ入口の広さも幅1mほどありますので、車イスになっても安心です。

 

トイレの外にある洗面

ほかのトイレには、洗面キャビネットをトイレ内に設置していますが、祖母が使うトイレには設置しませんでした。代わりに、トイレを出た正面に洗面台を設置。これもトイレ内の空間を広くする工夫です。

 

祖母の部屋は、光のよく入る南側に。縁側も設置

祖母の部屋と縁側

南側のいちばん日の光が入る部屋を祖母の部屋にしています。冬の寒い時期も暖かい日の光がよく入り、快適に過ごせているようです。

また窓の外には縁側をつくったので、祖母の友人が来た際には、玄関に移動することなく、縁側で談笑しています。

 

東側にも小さな窓

また祖母の部屋には、東側にも小さな窓を設置しました。この窓は、部屋の換気用に設けたものです。

祖母のように高齢になると、暖房や冷房のつけっぱなしが多くなるので、どうしても部屋の空気がよどみやすくなります。小さな窓があると、多少風が強い日でも換気ができて便利です。

 

玄関にはレンタルでアプローチに手すりを設置

レンタルした手すり

最近、祖母は要介護1の認定を受けました。まだひとりでできることは多いのですが、階段の上り下りや、お風呂で手助けが必要な状態です。

そこで玄関までのアプローチに手すりを2か所設置することになりました。こちらはレンタルで、月各800円の計1600円(介護認定により1割負担)を支払っています。

今は改修の必要がない、置き型タイプの手すりを設置。重量のあるベースがついている、調節可能なタイプです。これがあれば、階段での転倒を防ぐことができます。なにより祖母が階段を使うことにおっくうに思わず、外出しやすくなったことは、よかったと思っています。