毎日の食生活を支えるキッチン。その収納や使い方を見直すことがお金を貯める近道だと知っていますか?
すっきり使いやすく片づけられていることで、お金のプロが家計管理の要と断言する食費はもちろん、外食費や日用雑費、暮らし全体のお金の流れを整えられるんです。
出費を抑える! キッチンづくりの6つのポイント
3500人以上の家計を見てきたお金のプロ、家計整理アドバイザーの市居さんは「家計管理が苦手な人のお宅を訪問すると、総じてキッチンも散らかっています」と語ります。プロの目から見た、貯まるキッチンのポイントを教えてもらいました。
すべての画像を見る(全4枚)●ポイント1:余計なものがなくてすっきりしている
「お金が貯まりにくい家庭のキッチンは、ものであふれかえっています。ものが少なくシンプルな家ほど、貯め上手な傾向が」
ものが多すぎて、どこになにがあるかわからない状態は、重複買いの元凶になりムダな出費を招きます。
●ポイント2:ものの定位置が決まっている
置き場所がわからなくて探し回るなんてことはありませんか?
「脳は考えて決断をするたびに疲弊して正確な判断ができなくなり、お金の使い方も失敗しがち。どこになにがあるか考えなくても手に取れる仕組みが大事です」
●ポイント3:同じ用途のものは1種類だけ
「浪費グセのある人は、洗剤ひとつとっても、専門の用途のものをそろえがち。賢くお金を使える人は、重曹やクエン酸など多用途に使い回せるものを活用しています」
収納スペースも必要ないうえ、最小限の出費ですみます。
●ポイント4:冷蔵庫の中はいつも余裕がある
必要以上の食材をため込んだ冷蔵庫は危険サイン。食材の山の奥で、気づけば傷んでしまって食べられなくなるものも多々…。
「これでは冷蔵庫の中でお金を腐らせるのと一緒。食材の回転をよくするルールづくりで解消しましょう」
●ポイント5:ゴミ箱は1か所にまとめる
ものの定位置と同じで、ゴミ箱があちこちにあるのも脳を疲れさせる原因に。
「貯めている家は、リビングにはゴミ箱を置かずにキッチンに大きいものを置く、など工夫しています。手間を減らすことが時間とお金を生むことに」
●ポイント6:掃除グッズをスタンバイしている
ものをため込まず、すっきりした状態をキープするためにはこまめな掃除を習慣づけるのが効果的。
「フロアモップや、冷蔵庫や収納棚の中をさっとふける掃除用シートなど、ちょっとした掃除グッズを置いている家も多いです」
押さえておきたい! キッチンを変える3つのSTEP
●STEP1:今あるものの量を見直す:食材ストックを整理するために「断金」生活を実践
まずはものの数を減らすのが第一。たまった食材を整理するために、買い物をしない「断金」生活を始めましょう。
「3日間、お財布を開かないと決め、食事づくりは庫内やストック置き場にあるものだけでまかなうことを心がけて。残りやすい食材なども把握することができます」
STEP2:買い物の仕方を見直す:買い物を1週間サイクルでルール化する
食材の量を減らせたら、買い物の仕方も見直して。おすすめは週に2回のまとめ買いでなるべく買い物に行く機会を少なくすること。
「家計簿を基に1週間分の必要な食材を書き出して買い物メモに。家計簿をつけていない人は、レシートをとっておけば、必要なものがわかります」
<買い物の流れ例>
1)月曜日に1週間の食材をまとめ買いする
2)木曜日にたりないものを買いたす
3)日曜日には冷蔵庫の中のものをすべて食べきる
STEP3:収納方法を見直す:ジャンルごとに分けてものの量を可視化する
最後の仕上げは収納方法を見直すこと。
「減らしたものの量に合わせて、収納スペースも減らし、収まりきらない量は置かないようにすれば、すっきりした状態をキープできます」
<収納方法>・食器棚
家族が使うお皿やコップなどは1人ひとつずつに。使う数が減れば食器洗いの手間も減って水道代の節約にも。来客用の予備などは、普段使いの食器とは別の場所に分けて置いて。
・冷蔵庫
冷蔵庫は段ごとになにを入れるか決め、野菜室は色別に分けて、在庫が全部識別できるように。棚の奥まで食材を入れず、把握できるようにしておくことが大切。
・ストック置き場
乾物や麺類、缶詰などは種類別に透明な収納ケースに分けて入れ、ラベリングするのがおすすめ。収まる量しか買わなくなり、残量もひと目でわかるので、重複買いも防げます。