●「俺が稼いでやるから家を守ってくれ」は、憲法と民法に違反

家事をしない夫
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妻が専業主婦であっても同様です。妻が育児で大変なのに、夫が「家のことは妻に任せているから」と言って遊び回ったり、ダラダラしたりしている場合。それは、夫が夫婦の義務を放棄しているのと同じことになります。

「なかには、『自分が働きに出るので、妻には家にいて、家事と育児に専念してほしい』と夫が妻へと強要することもあります。この状況に妻が納得していない場合、憲法が定める男女平等、民法が定める協力扶助義務に違反しています

夫からすれば、「俺が稼いでいるんだから、別に無理して働きに出ることはない」と感じるかもしれませんが、仕事は収入を得るだけの手段ではありません。

「女性が外に働きに出て、自分が活躍できる場をつくることは、自己実現のための手段のひとつでもあります。『働きに出て、自分の夢を叶えたい』『社会で自分のスキルを活かしたい』。そう考える女性に対して、『家にいて、家事や育児をしろ』と強制するのは、女性が本来持っている権利に反します」

 

この数十年間で多少状況は改善されているとはいえ、いまだ女性にとって、家庭と仕事のバランスを保つのは難しい部分もあるでしょう。ただ、仕事も家事も育児も、片方だけが一方的に負担を負う必要はありません。それぞれのバランス配分は、夫婦の間できちんと合意した上で、分担するのが望ましいと言えそうです。

 

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