「てん菜」という根菜からつくられるお砂糖『国産てん菜糖』。料理家の吉田愛さんは、「和食をつくることが多いのでお砂糖はよく使いますが、『国産てん菜糖』はコクのあるやさしい甘味だから、合わせる素材の持ち味を壊すことなく、風味豊かに仕上がります」と話します。さっそく、てん菜糖を使った料理とお菓子を教えてもらいました。
国産てん菜糖でつくる「新ゴボウの甘辛豚つくね」献立
コクのあるやさしい甘味の『国産てん菜糖』。ここでは、新ゴボウの甘辛豚つくね、新ジャガイモの甘酢漬け、桜の米粉蒸しパンという3つのレシピをご紹介します。
●新ゴボウの甘辛豚つくね
一品目は、甘辛豚つくね。
「鶏肉でつくるよりも香りが強く、食べごたえのある豚のつくねには、甘味をしっかりと感じるたれがよく合います。そこで今回はみりんを使わず、砂糖のみで甘味も照りもつけました。てん菜糖だから甘さがくどすぎず、調和の取れた甘辛味になるんです」と吉田さん。
てん菜糖のコクのある風味とゴボウの香りも好相性。
「てん菜糖は溶けやすいので調味料を入れる際、フライパンに順に入れていってもすぐになじんで味ムラが出ません」
材料(4人分)
- 豚ひき肉 400g
- 新ゴボウ 1本(100g)
- 長ネギ(みじんぎり) 10センチ分
- A[ショウガ(すりおろし)1かけ分、水・片栗粉各大さじ2、酒大さじ1、塩ひとつまみ]
- B[酒・しょうゆ各大さじ2、国産てん菜糖大さじ1と1/2]
- サラダ油 大さじ1/2
- アスパラガス(塩ゆでしたもの) 適宜
【つくり方】
(1) 新ゴボウはささがきにして水にさらし、2~3回水をかえて水気をきる。
(2) ボウルにひき肉とAを入れ、粘りが出るまでよく練り混ぜる。(1)と長ネギを加えてよく混ぜ合わせ、12等分にして小判形に整える。
(3) フライパンにサラダ油を中火で熱し、(2)を並べ入れる。蓋をして約3分焼き、上下を返して弱火で5分焼く。
(4) フタを取って余分な油をふきとり、Bを加え、時々上下を返しながら中火で煮絡める。照りが出たら火を止めて器に盛り、フライパンに残った汁をかけてお好みでアスパラガスを添える。
<ポイント>
・新ゴボウはタネに入れて蒸し焼きにすることでちょうどよく火が入り、食感と香りを楽しめる。
・ささがきは包丁だと食感がでるのでおすすめですが、細かいささがきが苦手な方はピーラーを使って3~4センチ長さのささがきにしていただいても。
●新ジャガイモの甘酢漬け
続いて、箸休めの甘酢漬けのレシピも教えていただきました。
「淡白な味わいのジャガイモに、てん菜糖を使った香り豊かな甘酢が、奥行きを加えています」
酢の酸味と国産てん菜糖の甘味がうまく調和し、バランスよい味わいに。
材料(つくりやすい分量)
- 新ジャガイモ 2個(約300g)
- A[水1/2カップ、酢大さじ4、国産てん菜糖大さじ3、塩小さじ1/4、輪切り唐辛子1/3本分]
【つくり方】
(1) Aを鍋に入れてひと煮立ちさせてさっと混ぜ、火をとめて保存容器に移す。
(2) 新ジャガイモは皮をむいてせん切りにし、水にさらして2~3回水をかえ、水気をきる。熱湯で30秒ゆでてザルにあげ、粗熱がとれたら水気をよく絞って(1)に漬け、冷蔵庫で30分以上おく。
<ポイント>
・新ジャガイモはさっと火を通すことでしゃきしゃきとした食感を楽しむことができる。ゆですぎ注意。
・食感と甘酸っぱいさっぱりとした味わいで食事中の箸休めによく、しっかり味の豚つくねともよく合う。
・冷蔵庫で冷やし味をなじませたら食べられますが2時間ほどおくとよりよい。そのまま冷蔵庫で約3日保存も可能。
●桜の米粉蒸しパン
国産てん菜糖は溶けやすいからお菓子づくりも失敗しづらく、おすすめとか。
「とくにシンプルで素朴な味わいのお菓子にはやさしい甘味がよく合い、おいしさを引き立ててくれるように感じます。今回の蒸しパンも、てん菜糖のおだやかな甘味が、桜の香りと塩けを引き立たせています」
材料(4個分)
- 桜の塩漬け 15g
- A[米粉(製菓用)120g、ベーキングパウダー5g、国産てん菜糖40g]
- 牛乳 100ml
- サラダ油 大さじ1
【つくり方】
(1) 桜の塩漬けは水に10分浸けて塩を抜き、水気を絞る。飾り用に少量取り分け、残りは細かく刻む。
(2) ボウルにAを入れて泡立て器で混ぜる。牛乳とサラダ油を加えてなめらかになるまで混ぜ、刻んだ桜を入れてさっと混ぜる。
(3) プリン型にグラシン紙を敷き、(2)を均等に入れて飾り用の桜をのせる。
(4) 蒸気が出ている蒸し器に入れ、強火で10分蒸す。
<ポイント>
・蒸したてのふわふわ食感が最高。冷めるとむっちりとした食感に。
和食はもちろん、お菓子にもよく合う『国産てん菜糖』。そして意外にも「洋食と合うんです」と吉田さん。
「仕上げに少し加えるだけで全体の味がまとまります。私はカレーをつくるときも使いますよ。隠し味として加えると、バランスよく仕上がります」
料理家の吉田愛さんと、北海道のてん菜農家に伺いました
こちらは、北海道・千歳でてん菜を育てる森本夫妻と吉田さん。
「1年ぶりにてん菜農家に伺い、大自然の中に広がる一面てん菜の風景を見て懐かしくうれしい気持ちになりました」と吉田さん。
収穫のお手伝いをしたてん菜。てん菜はビートやサトウダイコンとも呼ばれますが、じつはホウレンソウと同じヒユ科に属する植物。根を煮出すことで糖分を抽出。不純物を取り除いて煮詰め、結晶化させたものが、砂糖(てん菜糖)となります。
「ご夫婦のお話からもてん菜への愛情と想いが伝わり、普段何気なく使っているてん菜糖のありがたみを改めて実感。生産者さんにお会いするとてん菜糖の上品で優しいおいしさの理由がわかる気がしました」
「立派に育てられたてん菜はずっしりと重く、そのまま食べても甘みがしっかりと感じられ、おいしくてつい取材中もポリポリと味見が止まりませんでした」
●国産てん菜糖について
北海道の広大な大地でのびのびと育ったてん菜が100%原材料の国産砂糖。てん菜から糖分を煮出して精製したものに、さらにてん菜の糖蜜を加えることで、特有の上品なコクのある風味をプラス。主張しすぎないおだやか甘みとまろやかな香りが特徴。
さらに環境にやさしい、紙のパッケージ(クラフト)版も登場!
北海道で育ったてん菜由来原料100%のお砂糖「国産てん菜糖」の詳細はこちら
問い合わせ先:三井製糖 https://www.mitsui-sugar.co.jp/