卓球、将棋、フィギュアスケートなど、さまざまなジャンルで、若くして活躍する才能が注目されています。
彼らのように、子どもの才能を引き出すには、どうしたらいいのでしょうか?
子どもが「自分で考える力」を育むための英才教育を実践する、聖徳学園の和田知之さんは、「才能や知能を伸ばすには、年齢に合った環境づくりが大切です。12歳までに意欲や知的好奇心を育めば、あとから学力もついてきます」と話します。
年齢別!子どもの才能を伸ばす子育てのポイント
ここでは子どもの年齢別に、親が気をつけたい子育てのポイントを伺いました。
<3歳まで>
言葉を覚え始め、脳が飛躍的に発達する時期。安心できる環境のなかで、少しずつ新しい経験を増やすことで、健やかに成長します。
●ほかの子どもと同じ空間で遊ばせる
すべての画像を見る(全6枚)徐々に社会性を身につけるため、同年代の子と一緒に過ごす練習を。幼くてまだ一緒には遊べないとしても、同じ空間にいることが大事。他者を認識することで、成長してから上手に友達づき合いができるようになります。
●親が笑顔でいることで安心感を与える
脳の順調な発達のためには、子どもが安心できる環境をつくることが重要。
両親がいつも笑顔だと、子どもは「親に守られている」という安心感が得られます。そうした家庭なら、子どもの好奇心も自然と育っていきます。
<4歳~5歳>
知恵がついてきて、複雑な思考もできるようになる時期。ときに生意気なことを言っても、成長過程のひとつだと受け入れましょう。
●ほめるときはいいところを具体的に
適当なお世辞を言うと、4~5歳の子どもには伝わってしまうのでNG。
たとえば絵を描いたら「目が動いているみたいにうまく描けたね」というように、具体的にほめましょう。上手にほめることで、苦手分野でも得意分野へと変えていけます。
●なんで?どうして?こそが知能を育てる
子どもの「なんで? どうして?」は適当にあしらわず、根気強くつき合ってあげてください。
すぐに答えを教えず、「調べてみようか」と一緒に本を読んだり、博物館に連れて行ってあげたりすると、自分で調べ、考える力が身につきます。
●日常のなかで数の感覚を養う
「このイチゴを家族で同じ数ずつ分けてみよう」など、生活のなかで数を扱う機会を増やしましょう。
単に「1から100まで数えられる」ではなく、数の意味を知ることが大事。数の感覚があると、たし算や引き算も吸収しやすくなります。
●自分をコントロールすることを覚えさせる
わがままを言ったときに頭ごなしに否定しては、子どもが「自分は大切にされていない」と感じてしまう恐れが。自分で気持ちをコントロールできるよう導きましょう。
たとえばオモチャをねだられたら、「クリスマスにサンタさんへお願いしようか」「帰ってパパに相談しようか」とワンクッション置くのも手です。
<6歳~9歳>
好きなことへの興味が深まり、知識が豊富になってくる時期。親の希望を無理に押しつけるのではなく、子ども自身の意思を尊重して。
●「勉強しなさい!」はぐっとこらえて
小学校に入学を機に勉強を押しつけるのはNG。「勉強はイヤイヤすること」という先入観を植えつけてしまいます。
小学校低学年までは、子どもが興味を示したものに、とことんハマらせて好奇心を育んで。すると自然と勉強にも興味をもちます。
●失敗してもむやみに叱らない
子どもは叱られると、「失敗するといけないから、新しいことに挑戦するのはやめよう」と考えがち。
叱るのは、危険なことやほかの人を傷つけることをしたときだけ。挑戦したうえでの失敗はいいことだと伝えましょう。
<10歳~12歳>
高学年になっても、幼少期のような好奇心をもち続けることが才能を伸ばすカギ。親自身が、一生学び続けようとする姿勢を見せてください。
●粘り強く問題に向き合わせる
すぐに答えの出ない問題だからといって、途中で投げ出していては、思考力は身につきません。わからないときにすぐ解答を見てしまうような勉強法はNG。考え抜く習慣をつけることで、一生涯役立つ粘り強さや集中力が身につきます。
●「こうなってほしい」の押しつけに注意
親の理想を押しつけていると、子どもは「自分がやりたいから」ではなく、親の期待に応えるためにがんばるようになってしまいます。結果的に、子ども自身の目標を見失ってしまうことも。
一方的に思いを押しつけていないか、自問自答してみて。
●子どもの話を聞くときは受け止めて「共感」する
子どもの発言には、評価の言葉ではなく、共感を示すことが大事。おすすめはオウム返しです。
「イヤなことがあった」と言われたら「イヤなことがあったんだね」と子どもの言葉を繰り返すと、受け止めてもらえた実感が得られ、安心します。
●怒るときは人格ではなく「行動」を叱る
叱るときに「あなたはどうしていつも遅れちゃうの?」など、子どもの人格を否定する言い方は禁物。ネガティブな言葉は子どもの成長を妨げてしまいます。
「時間に遅れちゃったけど、なにがあったの?」と、行動だけを指摘しましょう。
<13歳以上>
思春期を迎え、素直に親の言うことを聞かなくなる年代。子どもの気持ちに丁寧に寄り添って、見守るよう心がけましょう。
●親自身が楽しんだり、興味をもっている姿を見せる
子どもに興味をもたせたいなら、親自身が楽しむ姿を見せるのが効果的。夜空を見て「あれはどの星だろうね?」と言ったり、夢中で歴史ドラマを観たり。
親が好奇心をもち続けていれば、自然と子どもも興味をもちます。
●偏差値で進路を選ばない
偏差値の高い学校へ入ることだけを目標にすると、いざ入学したあとに、学ぶ目的を見失ってしまいます。
勉強は受験のためではなく、知らないことを知るためのもの。興味があって深めたいことを学べる進路を選んで。
●他人を見下す言葉を親が使わない
親の考えや言葉づかいは、知らず知らずのうちに子どもに影響するもの。親が他人を見下す言動をとっていると、子どもは無自覚にマネをします。
テレビを観ているときなどに、汚い言葉を使っていないか要注意です。