共働き世帯が増えている今、夫婦のお金の管理も夫婦によってさまざま。ただ、管理の仕方によっては貯まりづらいと思う人も多いのでは?
節約アドバイザーの丸山晴美さんに、共働き夫婦のお金の管理についてタイプ別にアドバイスをもらいました。
タイプ別、貯まりやすい夫婦のお金の管理法。最強の夫婦とは?
夫婦のお金の管理方法はひとつではありません。夫婦の数だけ管理の方法もさまざまです。夫婦のお金は、その収入を個人のものとして考えるのか、それとも世帯として考えるのか、それらを踏まえた管理方法で、その後の資産額も大きく変わります。
共働き夫婦に多い家計管理方法を4タイプに分けて、メリットデメリットなどを紹介します。
●【共通財布タイプ】貯まりやすさは最強だが、双方の納得がなければハードルが高い
夫婦の収入をすべてひとつの財布や口座に入れて、貯蓄やすべての出費を管理する方法です。家計と貯蓄がクリアになりやすいメリットがあります。お互いが同じ目標と意識を持つ夫婦に向いています。
どちらもお金に対して意識が高く、短期、中期、長期のお金の見通しながら、貯蓄や投資運用をすることでどんどん資産が増えていくため、ある意味最強とも言えるタイプです。
…とはいえ最近では、このタイプの家計管理方法を採用している世帯は多くはなく、夫婦のどちらかが抵抗を感じてしまう場合がありますので、どちらか一方が乗り気でないなら、強制するのはおすすめしません。
●【一部共通財布タイプ】共通の貯蓄口座をつくっておけば貯まりやすい
生活にかかる住居費などの固定費や公共料金などの金額を、共通口座や財布にそれぞれが15万円ずつなど一定額入金して、そのなかでやりくりする方法です。共通口座に入れた後に残ったお金は、各々の貯蓄やおこづかいなど、自由に使えるお金となります。
貯蓄はそれぞれがやることになるので、全体の貯蓄額が把握しにくくなり、場合によっては貯蓄がほとんどできていないことも。そうならないためにも、共通の貯蓄口座をつくって、定額積立をしたり、運用するようにしましょう。
●【別財布タイプ】家計に無関心になりやすく、どちらかが貯まっていないと問題化しがち
共通口座や財布は持たず、各自が生活費を分担して払うタイプです。たとえば、夫は住居費と光熱費を払い、妻はそれ以外にかかる食費や日用品といった生活費を払う方法です。貯蓄もそれぞれが行うため、世帯としての家計や貯蓄に無関心になりやすいというデメリットも。
お互いの収入がどれくらいあるかもわからず、教えたくもないという夫婦に多く見られるタイプでもあり、妻の妊娠出産を機に問題が表面化しがち。一度家計にかかるお金を洗い出しておき、生活費分担の見直しを適宜するようにしましょう。また、共通の資産を持つ意識が薄い場合は、個人でしっかりと資産を形成しておく必要もあるでしょう。
●【1財布1貯蓄タイプ】どちらかの収入がまるごと貯蓄へ。ただしおこづかいなどで自由度を
どちらか一方の収入ですべてやりくりして、どちらか一方の収入はすべて貯蓄する。この場合、収入が多い方の収入でやりくりするのが一般的です。たとえば、夫が正社員、妻がパートといった収入差がある夫婦によくみられるタイプです。一方の収入をほぼ貯蓄することで、貯蓄のペースを早めることができるメリットがあります。
お互い正社員で、どちらも同じくらいの年収である夫婦がこの家計管理方法をすれば、年間300万円以上貯蓄を増やすこともできます。また、夫婦共働き子どもなしの世帯が、貯めどきを逃さず、この方法でやりくりをする場合もあります。
デメリットとしては、お互い自由になるお金が少なくなり、不満が出ることもあるので、おこづかいを決めて、ある程度自由に使えるお金を持つようにするとよいでしょう。
●お金でもめると夫婦関係にも影響。お互い納得する仕組みをその都度考えていく
どのタイプを選択するにしても、ひとつの家庭としてどのようにプランニングしていくかを明確にしながら、その時々に合った方法で管理と貯蓄をして行くことが望ましいと言えます。家族が増えた時や住宅購入など大きなイベント時は夫婦で考え、それでも難しい場合はプロの提案を受ける方法も考えましょう。
お金でもめると、そこから夫婦の間に亀裂が入ることも少なくありません。早めにお互いのお金に対する意識を確認して、家計管理と貯蓄や投資運用の仕組みをつくっていきましょう。また、クレジットカードは家族カードを利用することで、家計管理がしやすくなり、ポイントも貯まりやすくなるメリットがあります。さらに、家計簿アプリでお互いの支出を共有することでムダの少ない家計につながるでしょう。
住宅購入や教育費、老後の資金などまとまったお金がかかるタイミングはいくつも存在します。そのタイミングに合った貯蓄や運用方法を考え、そのタイミングにしっかりとお金を準備していけるような、仕組みづくりをしていくことが大切と言えるでしょう。