「コロナ以前からの働き方改革で、夫の収入が年々減少。そこに追い打ちをかけるようにコロナがさらなる打撃に…」と話すのは、島田裕子さん(仮名・43歳)。目下の悩みは、夫の収入が10万円以上の大幅ダウンな中、子どもの中学受験をどうするか。

状況は違っても、子どもの教育費に頭を抱える家庭は、ESSE世代には多いのでは? そんなお悩みに、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが答えてくれました。

夫の残業代が大幅カット!無理をしてでも、子どもの私立中学受験は問題ない?

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中学以降にかかる教育費も見越してじっくり検討を
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島田さんは、夫(43歳)、長男(9歳)の3人家族。1日5時間の事務職のパートをしているそう。
「長男が通う小学校では、半数の生徒が私立中学を目指しています。息子も『一緒に受験がしたい』と言っているものの、夫の収入が10万円以上ダウン。受験費用や中学の学費が出せるかどうか…」

受験するとなると、塾代や模擬試験などで小学5年生は50~60万円、6年生は100万円程度必要に。
「さらに中学から年100万円はかかりますから、今の貯蓄400万円は高校入学前にほぼ底をつくことに。高校、大学で奨学金に頼りすぎないためには、相当な覚悟が必要です」と畠中さん。
まずは、実際の家計表を診断してもらいました。

島田さんの家計表をチェック!

夫の月収(手取り) 308,000円(-10万円)
妻の月収(手取り) 104,000円
児童手当 10,000円

収入合計 422,000円

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住居費 100,000円
食費 30,000円(+1万円)

←Check1

外食費 10,000円
電気料金 9,000円
水道料金 4,000円
ガス料金 6,000円
通信費(固定電話・携帯電話3台分) 10,000円
NHK受信料 2,000円
レジャー・交際費 10,000円
子ども費(学費) 10,000円
(習い事) 12,000円

←Check2

(その他雑費) 5,000円
クルマ費 18,000円
駐車場代 23,000円
こづかい(夫) 40,000円
こづかい(妻) 10,000円
生命保険料(夫) 8,000円
生命保険料(妻) 4,000円
生命保険料(子ども) 1,000円
こども保険(学資保険) 10,000円
その他出費(ビール代) 35,000円

←Check3

(ペット) 5,000円
(医療費) 10,000円
貯蓄 50,000円

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支出合計 422,000円
収支 0円

●Check1:週予算6000円で食費を5000円カット

夫は毎晩帰りが遅く、普段の夕食は子どもと2人分。以前の食費は週予算5000円でやりくりして2万円でしたが、ステイホームで1万円アップ。
「今後は、週予算を6000円にし、食費5000~6000円の削減を目指しましょう。住宅ローン減税の期間が終わって納税額が増えたら、ふるさと納税を利用してちょっと豪華な食材を楽しみ、外食代も減らせると◎」

●Check2:受験か習い事か子どもと話し合って!

サッカーシューズとボール

長男はサッカーと体操を習っていて、月謝が月1万2000円。加えて、週末の遠征費もかかるそう。

「子どもは『塾にも行きたい』と話しているそうですが、両方続けると貯蓄が増やせません。習い事と塾と、どちらがいいか子どもに選ばせましょう。自分で選べば、本気で取り組む意欲にもなります」

●Check3:ポイ活をうまく利用して夫のビール代に

ビール

休日しか家で食事できない夫の唯一の楽しみが、晩酌。好きな銘柄のビールを自分で買って、毎月3万5000円にも。

「楽天などで安い店を探し、ポイントを活用して買い物を。さらに、ポイントサイトなどを経由すれば効率よくポイントが貯まり、負担を減らせます。ルーティンの食品も同じ方法で買うと、割安になるのでおすすめです」

●受験するなら夫と話し合って家計見直しを

島田さんの家計を診断した畠中さんの結論は…
「塾に通うなら、習い事はやめてその分塾代にして、家計の負担増は最小限に。3万5000円もかかっている夫のビール代も、ネット通販のポイントを活用するなど工夫しましょう。3万円の食費も、週6000円の予算に見直しては。受験まであと2年、家計を見直してできる貯蓄と今後の収入の回復具合をみながら、夫ともよく話し合って検討してみて」

予期せぬ事態に、家計がうまく回らなくなってしまった…。そんなケースでは、取捨選択することも大切。なにがいちばん大事か? お金のかけどころはどこか? をよく見極めて、貯まる家計に整えていきましょう。