娘の誘拐事件をきっかけに、ベールに包まれた人間の欲望が暴かれる本格サスペンスドラマ『10の秘密』が、いよいよスタートします。
向井理さんが演じるのは、シングルファザーの白河圭太。音楽大学を目指す14歳のひとり娘・瞳(山田杏奈)のために、飲み代を削って貯金し、なんでも話せる関係を築いてきた“娘第一主義”の父親です。
初めての役柄に刺激を受けているという向井さんに、役づくりや見どころを聞きました。
ドラマ『10の秘密』主演・向井理さんインタビュー
「娘が誘拐されるとか、シングルファザーならではの苦労など、初めての役柄に刺激を受けています。圭太は一見、理想の父親ですが、よかれと思ってしていたことが、娘にとってはプレッシャーかもしれないし、じつはいいお父さんをやっている自分が好きなだけなのかもしれない…。まだ手探りの状態ですが、娘が誘拐されて焦るとか、帰ってきて安心するとか、事件に巻き込まれた父親として当たり前の感情を表現していけば、圭太のキャラクターは自然と成立していくと思います」
●嘘や秘密は、悪や正義では割りきれない
物語は、圭太の元に「娘は預かった。命が惜しければ、元妻を探せ」という脅迫電話がかかってくることから始まります。元妻の仙台由貴子(仲間由紀恵)は、大手ゼネコンの顧問弁護士。タワーマンションの最上階に住み、セレブな生活をしています。常に上を目指す由貴子は、仕事に専念したいと娘を残し、離婚届を置いて家を出て行ったのでした。
圭太は、娘を取り戻すために由貴子を探し始めますが、なんと彼女も姿を消していて…。さらに、セレブな生活に隠された由貴子の秘密を知るばかりか、なんでも知っていると思っていた娘の秘密も知ることに。そして、圭太自身が抱えてきた“家族の秘密”とも向き合うことになっていきます。
「嘘や秘密は、人を陥れるためではなく、人を守るために使うこともある。単純に悪や正義では割りきれない、清濁一体となっているものだと思います。自分にとってはいいものだと思っても、相手からしたら悪かもしれない。悪と正義の定義は立場によって見え方が違うということが、物語全体をとおしてジワジワと伝わっていけばいいなと思います」
●家族にはなんでも言ってしまいます
やがて、圭太は娘の奪還に成功しますが、それはこのドラマにとって序章にしかすぎません。登場人物それぞれが抱えた、思いもよらない秘密が次々と判明し、物語が進むにつれて衝撃の事実があぶり出されていきます。
ドラマのテーマは、“だれにだって秘密はある”。向井さん自身は、秘密を隠しとおすタイプなのか聞いてみると…。
「状況によりますよね。墓場までもって行くものもあるでしょうし、酔っ払って言ってしまうものもあると思う。僕は、わりと隠しておけないタイプかも。そもそも家族にはなんでも言うタイプなので、安全物件だと思います(笑)」
人は、自分の秘密を隠したがり、人の秘密は知りたがるもの。人間の業があぶり出される本格サスペンスに、ハマる人が続出しそうです。
『10の秘密』1月14日スタート
毎週火曜 夜9時(第1話は20分拡大)
フジ=カンテレ系全国ネット放送
【向井理さん】
1982年、神奈川県生まれ。2010年、連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』で一躍脚光を浴びる。以後、ドラマ『サマーレスキュー~天空の診療所~』『S-最後の警察』『永遠の0』『そろばん侍 風の市兵衛』『わたし、定時で帰ります。』、映画『小野寺の弟・小野寺の姉』『いつまた、君と~何日君再来~』『ザ・ファブル』『引っ越し大名!』などに出演。大河ドラマ『麒麟がくる』にも出演