壊れないものや丈夫なものほど、古くなっても捨てるタイミングが難しいもの。でも、ものには捨てどきがあります。
今回は、片づけのプロ・ライフオーガナイザーの田川瑞枝さんに、「プラスチック製の保存容器」を例に、捨てどきの見きわめ方を教えてもらいました。

プラスチック製の保存容器
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プラスチックの保存容器はいつ捨てればいい?ものの「捨てどき」を見きわめる基準

さまざまなお宅の片づけ作業で、田川さんがよく目にするのが、古びたプラスチック製の保存容器。同じようなものが自宅にある、と心当たりのある人も多いのではないでしょうか。

「『捨てどき』を見きわめれば、ものをため込みすぎず、自然と家もすっきりしますよ」と田川さん。詳しく語っていただきました。

●「高かったから」と使わずにしまい込むのが、いちばんもったいない!

プラスチック製の保存容器は、割れたりしなければ使えるので、古くても捨てられないことになりがち。日常的に使っていなくても、「いつか使うから」「高かったから」と、棚や引き出しの中にしまい込まれていることも。

とくに値段の高かったものは処分するのが惜しく、処分どきが決められずに悩む方も少なくありません。でも、使わずに何年ももち続ける方が、はるかにもったいない。

収納スペースに使っていない保存容器をしまい込む一方、場所がないからとシンク回りにお皿やキッチン道具を出しっぱなし…こんな状況は本末転倒。使っていない容器はおすそわけで「容器は返さなくてもいいからね」と言って手放すというのも、ひとつの方法です。

●自分の基準を決めれば、捨てどきに迷わない

とはいえ、まだ使えるものを処分するのは、確かに気が引けます。
「1年使わなかったら手放しましょう」とよく言われていますが、抵抗を感じる方も少なくありません。これは、ほかのだれかが決めたルール。

だからこそ、自分の基準を決めましょう。自分なりの基準を決めれば、それが自分のルールなので、罪悪感を抱くことなく、無理なく手放せるようになります。

たとえばパッキンがゆるんできた、ケースがくすんできた、欠けた、匂いが取れなくなった…などの経年劣化による支障は、わかりやすい基準。あるいは、新しく容器を買ったら同じサイズの古いものは手放すと決めるのもいいでしょう。

●迷ったら手放さない、というのもひとつの選択

もし少しでも「どうしようかな」と迷ったときは、手放さなくても大丈夫。処分したあとに「やっぱり捨てなきゃよかった」と後悔するからです。

でも、「もういいわ、使わない」と潔く手放せたものには、後悔は残りません。

色が取れない保存容器

こちらは、私が愛用している保存容器です。
購入当時は、カレーやミートソースなど色の濃い料理を入れても、洗えば落ちていました。ところが1年ほど経った頃、ミートソースを入れたところ、洗っても色が取れなくなっているのに気づいたのです。

もしかすると、目の錯覚かも? と思って、新品と並べてみたところ、明らかに色がついていました。毎日使っていると気づきませんが、知らず知らずのうちに素材は経年劣化します。

ただ、容器としては壊れていないので、まだ使うことも可能。ここが処分するかしないかの分かれ道なので、自分の基準に沿って検討することに。

●使わないなら取っておく必要なし!自分の基準に沿って考えてみる

私の基準は、「今後これを使う気持ちになるかどうか」。
せっかく取っておいても、無意識下できっと、色のついている容器は避けて、ほかの容器を使うだろうと感じ、処分することを決めました。

これはなにも保存容器に限ったことではなく、どんなものにも当てはまります。本でも洋服でも手放すことが難しいときは、自分の基準に沿って考えてみましょう。

毎日使うものほど、取り換え時期がわからなくなったり処分に迷ったりすることがありますが、自分の手放す基準が決まっていれば、むやみに新品を購入したり、捨てられずに抱え込むことがなくなります。

ものが自分のところで最後までがんばってくれたことに感謝し、また最後まで使いきった自分をほめてみてはいかがでしょうか。