アメリカ・シアトルに住んで十数年。フリーランスの編集者として活躍するNorikoさんが、現地で話題のフードやライフスタイルをレポート。今回のテーマは「英語」。アメリカの幼稚園で行われている教育方法について、教えてくれました。
すべての画像を見る(全5枚)春到来!日本では入園・入学シーズン、アメリカでは?
すっかり春ですね。息子が通う幼稚園で「お祝いの日」がありました。一体なんの日だと思いますか?
アメリカでは6月が卒園・卒業、9月が入園・入学なので、卒入園・卒入学のお祝いではありません。
正解は、「100日目の登園」のお祝い。100歳をイメージしたり、家の周りにあるものを100個集めたり、100にちなんだ工作や仮装などを楽しみます。
100日も経つと、学習効果がいろいろと見られるようになりました。アメリカでは、幼稚園から国語(英語)、算数などの授業が始まり、日本の小学生のように勉強をします。
親が日本人ということもあって、英語はまだまだといった様子だった息子でしたが、最近では看板やビラなどで目に入る英単語を読み上げて教えてくれるようになりました。
たまにつっかえることがあるものの、絵本も読めます。3~5語の簡単な英作文も書いています。一体、どんな教え方をして、こんなに短期間で英語ができるようになったのでしょうか。
「4月からの進級を機に子どもの英語学習を始めたい」と、考えている方も多いと思いますので、いくつかの例を紹介しますね。
ABCの発音は「フォニックス」で覚えよう
英語圏ではAからZまで基本のアルファベットの読み方、発音を「フォニックス」と呼ばれる指導方法で習います。
フォニックスによる各アルファベットの発音は、カタカナで置き換えるのは難しいのですが(ケースバイケースなので)、イメージをつかむための参考として以下、息子が幼稚園で習った大体の読み方を以下に挙げておきます。
試しに今までローマ字読みしていたものを、この発音に置き換えて読んでみてください。なんとなくネイティブっぽくなりませんか? アメリカ人が筆者の名前を呼ぶときの発音、Noriko(ンヌォアァルイクッォア)にも、これで納得です(笑)。
息子の通っている幼稚園では、フォニックスの発音を歌にして覚えていました。
日本人でも「きらきら星」のメロディーに歌詞をのせた、「ABCの歌」は聞き覚えがありますよね。同じ要領で、子どもたちが口ずさんで覚えられるよう、フォニックスを歌にしたものがたくさんあります。興味のある方はぜひ「phonics song」で動画検索してみてください。
基本のアルファベットを覚えたら、次はアルファベットの組み合わせ2文字などに、レベルアップしていきます。
ゲームやイベント感覚で英語を楽しく学ぶ
そのほかにも、子どもたちが興味をもって取り組めるような方法がたくさん。ある日はカードを持ち帰って、「これはマッチング・ゲームだよ」と教えてくれました。
「of」「to」「a」「the」など前置詞や冠詞を2枚ずつ用意し、裏返しに並べたカードをめくって、同じカードを引き当てていく、絵合わせもしくは神経衰弱風ゲームです。カードを記憶しなければならないので、自然と覚えられます。
また、「リーディング・バディ」といって、高学年の子どもとペアになり、読書をする時間が定期的に設けられています。幼稚園児はお兄さんやお姉さんが大好き! こんなイベントがあれば、読書が楽しみになりますよね。
勉強をがんばったごほうびは、ネットの動画を大スクリーンに映して、みんなでダンス・パーティ! パジャマ姿で登園して、キャンディーを食べます。日本の小学校では、ちょっと考えられないですよね?(笑)
アメリカ風に子どもが楽しみながら英語を身につけられるよう、サポートしてあげたいものです。バイリンガル子育て、お互いにがんばりましょう!
アメリカ・シアトル在住。現地の日系タウン誌編集長職を経てフリーランス・エディター/ライターとなり、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『
アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~』(海外書き人クラブ刊)