省エネ生活研究家・アズマカナコさんは、だれも住んでいなかった古い日本家屋を探し出し、手を加えて住んでいます。しかも、エアコン、冷蔵庫、洗濯機といった家電なし!それでも夏を感じながら、涼しく過ごしているというアズマさんに、暮らしの工夫を伺いました。
家のしつらい次第で、一軒家も涼しくなります
●部屋はすっきりと風通しよく
アズマさんが暮らすのは、昔ながらの日本家屋。「部屋は障子やふすまで仕切られているので、夏はあけ放して風を通します」。家具がほとんどなく、見た目もすっきり涼やか。
●すだれで風の通りをよくする
引き戸式の玄関は、日中家にいるときはあけておき、日よけ&目隠し代わりにすだれを下げています。「すだれはほどよく視線をさえぎりつつ風を通してくれる、便利な道具です」。
●籐やイ草などでできた道具を使う
「暑くてどうにもならない日中は、無理せず休んで、昼寝をすることもあります」。
休憩タイムには、サラッとした感触の籐の枕、イ草の座布団や竹製のうちわなどが活躍。
昔からある夏の道具を使って快適に過ごします。
●金魚鉢を飾って涼の演出を
玄関のゲタ箱上には、ガラスの金魚鉢。「金魚はいないんですが(笑)、水をはって水草を入れるだけで涼しく見えますよね」。庭で摘んだ花と一緒に飾り、お客さまを迎えます。
●風鈴の音色で耳から涼む
夏になると窓辺に下げるのが風鈴。暑さによるイライラを、涼しげな音色が静めてくれます。「この南部鉄器のものは、『鈴虫風鈴』という名前にひかれて購入。きれいな音色です」。
●仕切りは風の通るついたてで
夜、子どもたちが寝る時間になると、部屋の間に風通しのよいついたてを置いて仕切ります。「居間の明かりがまぶしいと思うのでこれを。ふすまを閉めると暑いですからね」。
いかがでしたか?室温はクーラーにお任せするとして、しみじみと心に訴える涼感も、夏を心地よく過ごすために大切にしたいものです。昔ながらの知恵で、五感に涼を訴えるアズマさんの暮らし。そのエッセンスを少しでも暮らしに取り入れることができたら、日本の夏をもっと楽しめるかもしれませんね。