「シンプルで心地よく暮らしたい」「いつでも上機嫌でありたい」と願っていても、実現するのはなかなか難しいもの。
51年前、結婚を機にパリへ移住した日本人女性・弓(ゆみ)・シャローさんは79歳。大好きなものだけに囲まれ、毎日が楽しい"理想の暮らし"をフランスで手に入れたといいます。最新著書『
パリが教えてくれたボンシックな毎日 ときめくものだけシンプルに。暮らしのセンスアップ86の秘訣』(扶桑社刊)でも語られている、「いくつになっても好奇心を失わず、機嫌よく暮らすコツ」を教えてもらいました。
ご機嫌な暮らしは「好きなもの」を「自信をもって着こなす」ことから
●若々しくいたいけれど、若づくりはしない
79歳になった今も、弓さんはファッションを大いに楽しんでいます。
フランス人は誰かが着ていた服が似合っていれば「それすてきね。あなたにぴったり!」と心からの賛辞を贈ります。そんなほめられた服を大事にコーディネートしていき、それを自信をもって繰り返し着れば、たくさんの服がなくてもおしゃれをエンジョイできるんです。
このところ日本の知人から「フランス人は10着しか服をもってないんでしょ?」とよく質問されるのですが(笑)、トータルで10着はおおげさでも、「ほめられ服」が5着あれば自信をもってファッションを楽しめるのではないでしょうか。
●1日2回、体重計にのってベスト体重をキープ
152cmと小柄な私。3kg太るとなかなか元に戻らないので、2kg以上増えたら手を打つようにしています。逆に言えば、1~2kg増までは慌てません。
調整の方法は、ご飯の量を半分にすることと、肉や魚の代わりに豆腐をとること。これで1~2kgすっと落ちます。ちなみにパリでも自然食のスーパーマーケットで、豆腐や豆乳が簡単に手に入るんですよ。
また、バスルームに体重計を置いて、風呂上りと朝の1日2回のるようにしています。2kg以上増えていないか、朝晩の体重差が1kgくらいに収まっているかをチェック。
どれも無理なく続けられていて、健康のための心地よい習慣になっています。
●クローゼットは「何がどこにあるか」が一目でわかるように
ファッションに関連するものは、やっぱり好きなのと自分の原点でもあるのでほかのものに較べて、たくさん持つことを自分に許しています。
ニットは形や色がひと目でわかるように工夫してたたむ、ミニマフラーやスカーフ類はおそろいのボックスに収納、シャツやジャケットは型崩れしないように肩幅に合ったハンガーにかける…などの工夫をしています。
好きなものだけ選んでいるから、洋服を処分するのは2年に1度くらい(不要になったものは赤十字やチャリティバザーに寄付します)。捨てられない服も多いのですが、見やすく収納してすべて把握しているから、コーディネートや手入れがラクちん。衣替えはしないので、クローゼットには1年分の洋服が詰まっています。
ただ、自分が何をどのくらい持っているか、どこにしまっているのかを把握できなくなったら、処分の時期と決めています。
このような心持ちで、あんまり神経質にならず、無理をしないで機嫌よく暮らすのがいちばんですね。
79歳のパリジェンヌの心の持ちようは、将来「これで79歳なら、いいほうだと思わない?」と明るく言えるような、すてきなマダムへのヒントがいっぱいでした。