忙しいときに限って送られてくるLINEや、角を立てずに伝えたい「断りの意思」。文字やスタンプだけのやりとりでは、対面しているとき以上のスキルが必要となります。

そこで困ったときにスグ使える「嫌われない文章」をプロと一緒に考えました。同じ状況になったら、そのままコピーしてぜひお使いください。一緒に考えてくれたのは、コミュニケーション・インストラクターの杉山美奈子さんと、ITジャーナリストの高橋暁子さんです。

立て替えたお金の催促、どうする?
立て替えたお金の催促、どうする?

コピペでそのまま使える!困ったときの「気配りメール」対応例&文例集

▼困った!:催促がましくなく、立て替えたお金を返してもらいたい

対応:ほかの用件のついでにさらっと伝えて

ちょっと言いづらいお金の催促。ほかの用件のメールに合わせると、うまく伝えられます。「たとえば、『そういえば、私も忘れちゃいそうなので…』など、ちょっと思い出したふうを装って、さらっと伝えると自然な感じです」(杉山さん)。わざわざお金の催促のためにメールを送ったと相手に思わせるのはNG。あくまでも「ついでに」というスタンスで伝えましょう。

「気配り」文例

件名:この前はありがとう
内容:久しぶりにみんなで会えて楽しかったね! 質問されてた件だけど、この前着けていたピアスはここから買えるよ↓
http://×××××
そういえば、自分でも忘れちゃいそうなのでメールしておくけど、この前のランチ代、次に会ったときのランチと相殺でいい?
またね☆

▼困った!:いま忙しくて、すぐにはきちんと返信できない

対応:まずは確認の「第1報」だけでもすぐに出しておく

ゆっくり考えてメールを返している時間がないときには、相手からのメールを確認したことだけでも、短い文章で早めに知らせておくとよいでしょう。「たとえば、イベントの出欠を尋ねるメールなら、件名で『参加します』など、イエス・ノーがひと目でわかるようにして、早めの第一報を送りましょう。より詳しいメールをあとから送る予定なら、『夕方』や『15時頃』などと時間を知らせると、より親切です」(杉山さん)。

「気配り」文例

件名:参加します
内容:夕方またメールします。取り急ぎ要件のみにて

▼困った!:自宅で料理教室を開いている私。生徒でないママ友からしつこく料理の質問が…やんわり断りたい

対応:「今度会ったときに」と、メールではやんわりかわして

「断るときは『ごめんなさい』で始めると、本題が伝わりやすいですよ。『今度お会いしたときにお話できたら』など、メールでは難しいというニュアンスを伝えて」(杉山さん)。「本来、有料で教えているものだと強調するのも有効」(高橋さん)。それでもメールがしつこいなら、2、3回に1回くらいしか返信しないのも手。迷惑に思っていると、相手にさりげなく伝えられます。

「気配り」文例

件名:メールの件
内容:ごめんなさい。つくり方のコツを説明するのに、メールでは長くなってしまうので、今度会ったときでもいい? 続きは有料になっちゃうんだけど、お教室にきてくれたら、ゆっくりお話できるかも。それではまた

▼困った!:PTA会での取り決めに改善を提案したいけど、角を立てずにメールで伝えられる?

対応:言いにくいことほどメールやLINEではリスクが高い!

メールやLINEは一方通行。相手の反応に合わせてフォローできないため、言いづらいことほど、うまく伝えるのは難しいといえます。メールを送る場合は、まず相手をねぎらい、賛同を表すことがポイント。そのうえで「もしかしたら」などと前置きして、控えめに提案を。「攻撃されたという印象を与えないよう丁寧に。でも、直接会って伝えた方が無難です」(杉山さん)。

「気配り」文例

件名:ご連絡ありがとうございます
内容:お疲れさまです。新学期からの見回りパトロールの件、ご連絡ありがとうございます。防犯面でとても優れた施策だと存じます。ただ、もしかしたら、3人ひと組ではなく、昨年同様、2人ひと組の方が、担当日数が少なくなって、いろいろな人が参加しやすいかもしれないと思いました。差し出がましいようで恐縮ですが、次回のクラス会のときにご相談できれば幸いです。

▼困った!:LINEはどこで終了したらいいのかわからない。うまい終わらせ方、教えて!

対応:お姑さんや子どもの用事などみんなが共感できるネタを言いわけに

ダラダラと続いてしまうことも多いLINE。やめどきがわからず困ることも。「お姑さんや子ども、夫の用事など、『それじゃ仕方がないよね』と共感してもらえる理由で逃げるのが正解」(高橋さん)。NGワードは、「習い事」などセレブ感のあるキーワードを出して締めること。嫉妬の対象になりかねないので避けた方がベター。また、「仕事」を言いわけにすると、専業主婦はおもしろくないことも。

「気配り」文例

返信内容:ごめん~、家電が鳴っていて、お姑さんからっぽい。長くなりそうなので、ここで~m(_ _)m

▼困った!:出産したばかりの友達へ、気を使わせないよう「おめでとう」メールを送りたい

対応:プレッシャーを与えないよう返信不要の心配りを

育児であわただしくしている相手にメールを送る際は、「すぐ返信しなくては」というプレッシャーを与えない配慮を。「まず自分のうれしい気持ちを伝えるだけの文章でよいと思います。『返信しなくても大丈夫』という一文があると、相手に負担をかけない心配りを感じますね」(杉山さん)。返信不要という気配りは、弔事の際、お悔やみの気持ちをただ伝えたいときも有効。

「気配り」文例

件名:ご出産おめでとう
内容:○○ちゃん、赤ちゃんの誕生、本当におめでとう。△△から聞いて、うれしくて思わずメールしてしまいました。
忙しいと思うから、返信はもちろん大丈夫だよ。ベビーが大きくなったら、うちのと一緒にお出かけしたいね♪
それでは、体に気をつけてね!