春の気持ちよい日差しともに、いよいよ紫外線の強い季節がやってきます。紫外線の肌ダメージを押さえるには、顔に日やけ止めをささっと塗るだけではじつは不十分。効果的な量や首のUVカット法、うっかりできてしまったシミのケア法など、今日からできる「紫外線との戦い方」をレクチャーしてもらいました。教えてくれたのは、美肌のプロ、水井真理子さんです。
今日から始めたい「紫外線を防ぎ、美肌を守る」基礎知識
Q:一日家にいる日は、UVケアしなくてもいい?
A:紫外線A波は室内にも降り注ぎます
地上に降り注ぐ紫外線のうち、約95%を占める紫外線A波。肌の奥にまで到達して肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンを傷つけて、シワやたるみの原因をつくります。この紫外線A波は、窓ガラスを通り抜けてしまう特徴が。そのうえ、曇りの日でも紫外線は降り注いでいるので、UVケアは日常的に必須です。「家事に育児に忙しい主婦だからこそ、自分のことは最初にすませるのが賢明。たとえば朝、家族が起きる前に顔を洗ってUVケアまでやっておけば、うっかり日やけも防げます」
Q:日やけ止めは、クレンジングでゴシゴシ落とすべき?
A:ゴシゴシこすらず、丁寧に優しくオフしましょう
「スッキリ落としたいと思うあまり、手に力を入れたくなる気持ちはわかりますが、摩擦はくすみやシミの原因になる“美肌の大敵”と心得て。ウォータープルーフなら専用のクレンジング剤を、それ以外なら普通のクレンジングでOK。顔全体に優しくなじませて、ぬるま湯で洗い流してあげてください」
Q:紫外線は目にも影響するって本当?
A:本当です!UVカットメガネや目薬を活用して
目は、その人の印象を左右する重要なパーツ。「赤ちゃんの目がうるうるしてクリアなのは、紫外線をほとんど浴びていないから。紫外線ダメージでくすんだ瞳は老けた印象を与えますし、充血していると疲れた印象に。目にもしっかりUV対策を施しましょう」
すべての画像を見る(全6枚)紫外線をカットし目を守るメガネや、紫外線などによる目の炎症を抑える目薬を活用して
Q:べたつくのがいやなので、日やけ止めは少量でもいい?
A:正しい分量を使わないと、効果は大幅ダウンします
「肌には思っている以上に凹凸があるので、少量をのばしただけでは、塗りムラができやすく、ガードが甘くなります。日やけ止めの効果を最大限に引き出すためにも、正しい分量を使うことはマストです。また、紫外線を浴びやすい頬の高い部分などは、とくに念入りにケアしましょう」
Q:髪にもUVケアをした方がいいの?
A:YES!髪も肌と同じようにダメージを受けます
体のなかでいちばん太陽に近い髪と頭皮は、顔の5倍もの紫外線ダメージを受けているそう。「肌はしっかりUVケアをしても、髪は無防備という人も多いのでは?UVスプレーなら、さっとかけるだけ。紫外線による乾燥やごわつき、枝毛などの予防になります」
Q:日やけ止めやサングラス、日傘以外で、手軽にできるUVケアは?
A:首にストールを巻くのもおすすめです
UVケアで忘れがちなのが首。首は年齢が出やすく、いったん日やけすると、なかなか薄くならないパーツ。「ストールは、紫外線対策としてだけでなく、寒暖差対策にもなるのでおすすめ。UV加工が施されているガーゼやリネン素材なら、涼やかに身にまとえます」
Q:春になるとくすみが気になります。これも日やけ?
A:乾燥が原因かも。しっかり保湿しましょう
肌は乾燥すると微細な凸凹が多くなり、くすんで見えてしまいます。「スチーマーや蒸しタオルで肌をやわらかく整えると、化粧水や乳液がしっかり浸透しますよ」。くすみとともにごわつきが気になる場合、肌の表面に角質がたまっている可能性が。「スクラブ剤やクレイパックなど、古い角質を落とすケアを。くすみが一気にクリアになります」
Q:春になったし、冬ほど保湿しなくても大丈夫?
A:NO!まだまだ乾燥するので、十分な保湿ケアを
気温が上がる春先は、汗や皮脂で肌が少しべたつくことも。でも、それを「保湿されている」と勘違いすると大変なことに。「冬を過ごして乾燥が進んだ肌を放っておくと、さらに紫外線ダメージを受けやすい肌になってしまいます。化粧水と乳液で、きちんとケアして」。化粧水や乳液はハンドプレスで浸透させましょう
Q:とくに気になるシミへの対策を教えて
A:濃いシミ専用の美白ケアをプラスして
できてしまったシミには、集中的な美白ケアを続けることも大切。「スポットタイプの美白美容液なら、普段のお手入れにプラスしやすく、シミにピンポイントで使えます。続けるためには、使いやすいのはもちろん、価格的にも無理のないものを選んで」
Q:去年薄くなったシミが、また濃くなることってある?
A:シミは、再度紫外線を浴びると濃くなります
「シミが薄くなったからといって、肌内部でメラニンがつくられなくなったわけではないので、シミの原因となる紫外線は、極力浴びない工夫が肝心。UVケア成分入りの化粧品など手軽なアイテムを活用して、紫外線対策を毎日の習慣にしましょう」
Q:春だと、美白ケアにはまだ早い?
A:美白ケアは早めに始めるのが肝心です
夏の紫外線に肌内部のメラノサイトが刺激されて、秋のメラニン指数が上昇。これがシミの原因です。「スキンケアの結果はすぐには出ません。一度できたシミのケアには、時間も労力もかかるもの。美白ケアは継続してこそ、真価を発揮。夏からと言わず、今すぐスタートを」
シミのケアにおすすめ!プチローションパック
顔全体のケアだと気おくれしてしまう…という人は、ピンポイントの集中ケアがおすすめ。「コットンを小さく切って化粧水を含ませ、気になるところに3分ほどパックして。その部分がしっかりほぐれて、あとから使う美白美容液の浸透がぐんとアップします」
顔全体を化粧水でしっかり保湿したあとに、小さく切ったコットンに美白美容液をつけ、プチ美白美容液パックをしても。その上からラップをして10分おくとさらに効果的
いかがでしたか? 春の正しいスキンケアで夏の紫外線に負けない肌を目指しましょう。