毎日節約や貯蓄に気を使っているのに、なぜかお金が貯まらない!そんな悩みを抱えるご夫婦も多いのではないでしょうか。最近では、老後破産なんていう恐ろしい言葉まで聞こえてきて、さらに不安が大きくなってしまうことも…。
そこで、書籍『
』を出版した家計再生コンサルタントの横山光昭さんと、のべ1400万人の行動と性格分析をおこなってきたディグラム・ラボ所長の木原誠太郎さんに夫婦のお金の増やし方について伺いました。
家計診断と性格分析のプロが解説!お金が貯まらない夫婦の3つの特徴とは?
●特徴1 お互いの貯蓄額や懐事情を知らない
お互いのことは、なんでもよくわかっている…。そう考えがちではありますが、多くのご夫婦の間で共有されていないのが「お互いの収支」です。
「『パートナーが、毎月なににいくら使っているのか』『貯蓄がどのくらいあるのか』を知らないご夫婦は案外多いものです。共働きの場合は、『パートナーがいくら稼いでいるのか知らない』というご夫婦もいらっしゃいます。当たり前のことではありますが、お金はひとつの収支で考えたほうが全体の流れを見ることができるので、圧倒的にお金が貯めやすくなります。先々まで見据えた貯蓄のために、まず改善すべきポイントですね」(横山さん)
理想的なのは、夫婦の口座を一緒にして、あらゆる収支を把握できるような状態を整えること。
「ただ、もしも『口座を一緒にするのは嫌だ』『もう少し自由度がほしい』と思うのであれば、せめて毎月のおこづかい額を決めるなり、お互いの収支を報告する機会を設けるなりして、情報を共有していきましょう。できることならば、家計簿をつけてみて、家計を見える化していくのがベストです」
●特徴2 目標設定が高すぎる
お金を貯めようと思ったときに「今年は100万円貯める」「毎月の支出を3万円分カットする」…といった具体的な目標を設定するご夫婦は多いです。でも、最初はがんばって実践していたものの、次第に息切れしてしまい、なかなか目標を達成できなかったというケースも少なくありません。
これに対して、横山さんは「高すぎる目標を設定するご夫婦は、なかなかお金が貯まらない」と指摘します
「お金が貯まらないというご夫婦の特徴として、『貯蓄』をとても大変なものだと捉えすぎていることです。そして、そういう人ほど、いざ貯蓄をしようと思ったときに、『絶対に1年間で150万円貯めてやる』『毎日食費1000円で暮らすのを徹底する』などと、目標値を高く設定しすぎる傾向にあります。先々まで考えることも必要ですが、まずは短いスパンでできることから成功体験を積み重ねてみましょう」
こうした厳しくてハードルの高い目標を設定してしまうと、貯蓄自体が大きなストレスになってしまい、なかなか継続することができません。結果、「こんな大変なことは続けられない」「貯蓄とは大変なものだから、自分には向かない」と考えてしまうようになるそうです。
「貯蓄をあまり難しく考えずに、あえて大きな目標を設定しないタイプの人のほうが、じつはお金は貯めやすいんです。たとえば、『最近お金を使いすぎだから、ランチはお弁当にしよう』『外食するお店のランクを少しだけ下げよう』『給料をもらったら先取り貯金で1万円だけ貯めておこう』といった、些細なことで最初はいいんです。こうした小さな成功体験を積み重ねていくことで、『節約・貯金=大変なことではない』という考えが植えつけられた人のほうが、お金は貯まりやすくなります」(横山さん)
高すぎる目標を設定するよりも、大切なのは小さなことから実行する継続性。節約や貯蓄自体を習慣化していくことが重要なのです。
●特徴3 日頃から会話が少ない
自分はせっかくがんばって節約しているのに、夫が散財するのでなかなかお金が貯まらない…というご家庭も多いのではないでしょうか。ただ、「もしかすると、それはコミュニケーション不足が問題かもしれません」と語るのは、木原さん。お金が貯まらない夫婦の多くは、会話が少なく、コミュニケーションを取れていないことが原因で、貯蓄がうまくいっていないケースも多いそう。
「夫婦でお金を貯めるのなら、2人一緒に同じ目標に向かう必要があります。そのうえで、欠かせないのがコミュニケーションです。たとえば、奥さんががんばって節約しているのに、旦那さんがそれに気がつかないでムダづかいをしてしまい、奥さんの不満がたまる…といったケースは珍しくありません。ただ、これは旦那さんと奥さんがお互いに『節約をしてがんばってお金を貯めよう』という意識を共有できていれば、本来は防げる事態のはずです。身近な会話を共有できてないと、相手の事情や心境もわからないから、大きな目標は共有できません。だからこそ、毎日なに気ない会話からお互いの情報を交換し、コミュニケーションを取っておくことが大切なんです」
相手の事情を鑑みて、密にコミュニケーションを取り、連帯意識を高めていくこと。そして、杓子定規な節約ルールを押しつけず、臨機応変に対応していくことが、賢く夫婦でお金を貯めるポイントであり、老後に痛い目に合わないための手段のようです。