正月太りを気にしている人、いませんか?じつは毎日の食生活を見直すだけで、脂肪燃焼力を高めることができます。今すぐに始められる、基本的な食べ方の心得を紹介しましょう。教えてくれたのは管理栄養士で、医学博士の本多京子さんです。

脂肪を燃焼させるための心得5か条

(1)脂肪を燃焼させる食材を使う

 体脂肪が増えないようにするには、高カロリーの食品を食べすぎないということは当然ですが、脂肪の燃焼を促進する栄養素を含んだ食材を意識して摂取することが大切です。ショウガ、酢、ニンニク、カレー粉のようなスパイス類、ネギ、唐辛子などがこれに当たります。

 そこで、カギとなるのがメニューづくり。たとえば、同じ炒め物でもニンニクやショウガを効かせたり、キノコなど低エネルギーでビタミンB群が多い食材をプラス。味つけやトッピングにも脂肪燃焼食材を取り入れ、活用しましょう。

(2)食物繊維をたっぷりとる

食物繊維をたっぷりとる
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 食物繊維は健康のために欠かせない栄養素ですが、脂肪燃焼の強い味方にもなります。腸内環境を整えて悪玉菌の繁殖を防ぐ作用があるので、腸の働きが活発になって代謝力がアップ。脂肪を吸着して排せつを助けます。

 また食物繊維をたっぷりとると、食べ物が胃や腸をとおるスピードが遅くなります。そのため、糖質の吸収が遅くなり、血糖値の急激な上昇を抑えて脂肪の合成を阻止。細胞が脂肪を蓄えにくくする働きもあります。そのほかにも、水分を含んで胃の中で膨張するので、カロリーが少なめの食事でも、満腹感が得やすいのもうれしいメリットです。

(3)3食きちんと食べる

3食きちんと食べる

 食事の基本は、朝・昼・夕の1日3食をきちんと食べること。体温は寝ている間に下がるので、その体を温めて、中から目覚めさせるには、とくに朝食が不可欠です。

 パン派ならコーヒーだけですませるのではなく、卵料理や野菜スープ、季節の果物を添える、ご飯派なら納豆や具だくさんのみそ汁を食べるなど、バランスよくとるように心がけて。できるだけ毎日決まった時間に食事をすると、胃や腸の消化液が一定のリズムで分泌されるようになって自律神経のバランスが整い、代謝がアップします。

(4)皿数を増やしてバランスよく食べる

 体内の脂肪を燃焼させるには、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素の働きが必要です。体にいいから、好きだからといって同じものばかり食べ続けると、栄養がかたよって燃焼力の低下につながるので要注意。

 主食、主菜、副菜をそろえた献立を基本に、とくに副菜を増やして多くの食材を食卓にのせるようにしましょう。そうすれば、必要な栄養素がバランスよくとれるので、食べたものが体の中で効率よくエネルギーとして利用されるように。また、見た目の満足感も増して、結果、ゆっくり食べることにもつながります。

(5)よくかむことを心がける

 食事をするときには、よくかんで食べる習慣をつけましょう。かむとその信号が脳に伝わって、満腹中枢も刺激されるので、食べすぎを防ぐ効果もあります。「飲み込む前にあと5回かむ」など、食べ方の工夫でかむ回数を増やすのもおすすめ。

 また、丼ものや麺類などはかまずに早食いしがちなので気をつけて。よくかむ習慣を身につけるには、毎日の食事に食物繊維の多い食材、なかでも不溶性食物繊維の多い根菜や豆をとるように心がけることが大切です。