幸栄です。パン教室「toiro(トイロ)」を主宰しています。初めてパンを焼いたのは、長女の出産から1か月後のこと。あの日から試行錯誤を重ね、今は卵とバターを使わないパンのレシピをつくっています。パンを焼きながら、2人の娘の母としても、楽しみや大変さをたくさん感じる日々。毎日のなかで見つける、ささやかな幸せや楽しみをつづっていこうと思います。
親しいあの人に手づくりのものをプレゼント。というと、お菓子を焼く方が多いかもしれません。パンづくりを仕事にしているので、当たり前かもしれませんが、私はパンをよく贈ります。今回、ちょっとしたことでかわいくなる私なりのパンの贈り方をご紹介します。もちろん、クッキーやカップケーキなどお菓子にも合うので、参考にしてくださいね。
パンを贈るときは、シンプルにちょこっとだけおめかしを
大納言甘納豆を包み込んだ、小さな抹茶パンを焼いたある日。
透明な無地のビニール袋(テープつきのOPP袋)に入れます。使いやすそうなサイズ、大・中・小で3種類、常備してあります。大は、食パン1斤袋。中は、少し細長いパンも入るような袋。小は、ちいさなパンにぴったりな袋。今回は一番ちいさなサイズを使いました。
パンは乾いてしまうと大変なので、しっかりと封をします。この抹茶パンは色がとても鮮やかだったので、落ち着いた色のひもを使います。
ちょっとしたことですが、パンがおめかしされて、とってもかわいくなりますよね?「はい、これ私が焼いたんだ。食べてみてね」って手渡されると、あの人もきっと笑顔になってくれるはずです。
遠く離れた人に送るパンにはメッセージもプラスして
遠く離れたあの人には、段ボールにいっぱいつめて贈ります。
パンのセットをいくつかまとめるときの袋の色は、シンプルなものに統一しています(箱の中・右のシールで封をした茶色い袋)。パンも茶色だから袋も茶色だと地味じゃない?なんて思われそうですが、そんなことないのですよ。
私はパンには茶色が一番よく似合うと思います。よく使うのは、ワックスペーパーの紙袋。パラフィン紙は通気性もよく、ロウ引きされているので濡れても丈夫。底が広いので、パンを入れるのにぴったりなんです。ネットでも販売されていますよ。
いろいろな種類のパンたちをつめ込むときは、文具店で売っている小さくてシンプルな名前シールを使って、パンの説明を書いてはっておきます。主役のパンをジャマしないこのサイズ感がちょうどいいんです。
ショップカードの裏には日頃の感謝の言葉やメッセージを書いて、お庭で摘んでドライにしておいたユーカリを添えました。素朴なパンとハーブの相性もばっちりです。
特別高価なものは使っていませんが、ちょっとしたことで自然なかわいさが生まれます。みなさんも楽しくパンを焼いて、贈ってみるのはいかがでしょう?クリスマスやバレンタインシーズンにもぜひ取り入れてみてくださいね。
【幸栄(ゆきえ)】
1979年広島県生まれ。「はな」と「ひな」2人の娘をもつ。モデルとして活躍したのち、長女の出産を機にパンづくりに出合う。ベッカライダブルハウスにて、製造補助をしながらパンについて学び、 2010年から卵とバターを使わないパン教室、
toiroを始める。 著書に『
「ちょっとのイースト」で作る ベーグルとピザの本 (生活シリーズ)』(主婦と生活社刊)、『
パウンド型で焼けるおいしい食パン』(家の光協会刊)、『
あかちゃん、こども、おとなのパン―はじめてのパンづくり』(アノニマスタジオ刊)などがある。