アウトドアシーズンが到来。キャンプや楽しいBBQに活躍するのが“ロケットコンロ”です。ロケットコンロは空き缶などを使ってつくる調理器具で、燃焼効率がいいので強い火力を得られるのがポイントです。
アウトドアはもちろん、震災時にガスや電気が止まってしまったときにも、燃えるゴミや小枝などでお湯を沸かしたり、火を使ってちょっとした料理ができて便利。家にあるものでつくれます。所要時間は約1時間。缶が余っていたらトライしてみて!
トマト缶でできるロケットコンロのつくり方
ロケットコンロの燃料は、小枝や新聞紙など可燃性のゴミを使います。割りばしや細く長いものは時間をかけて燃えるので効率がいいそう。このロケットコンロを使えば、電気が使えないときも湯沸かしや加熱調理ができて、冬季は囲んで暖をとることもできます。光熱費を削減できてお財布や地球にもやさしいすぐれもの。
(※器具を使用するときは周りに注意して安全な場所でおこなってください)
[道具と材料]
・1号缶(フタを開けてあるもの、フタはとっておく)
・400g缶(フタを開けてあるもの) 2つ
・パーライトか軽石
・金切バサミまたはベビーサンダー
・手袋
・油性マーカー
・ペンチ
[つくり方]
1.1号缶の側面に油性マーカーで、400g缶の開け口を使って円を描きます。
2.先ほど1号缶に描いた円を、サンダーでくり抜きます。
3.400g缶のひとつだけ、底を抜きます。
4.底のある缶の側面に、1と同様の手順で穴をあけます。1号缶の中心部にフタの開いた面を上向きにした400g缶を置きます。大小2つの缶の側面の穴を合わせて、そこに底のない缶を貫通させます。
5.1号缶のフチに等間隔で7つほど切込みを入れます。
6.1つおきに内側に折り曲げます。
7.400g缶の周りにパーライト(または軽石)を詰め込みます。
8.側面の400g缶に小枝を差し込み、火をつけてみます。
大成功!でも火力がチョロチョロなのでお湯を沸かのにはすこし時間がかかります。
このタイプなら1時間あればできます。パーライトがない時は、天井裏にあるグラスウール(黄色い綿みたいな断熱材)や軽石でも代用できます。
すこし火力が強い改良型ロケットコンロのつくり方
1.1号缶と400g缶をあと1つずつ追加して改良型ロケットコンロをつくります。もう1つの1号缶に400g缶の直径分の切込みを入れます。
2.1つおきに内側に折り曲げます。
3.残りは外側に折って尖った部分を折り曲げます。
4.1号缶のフタを三つ折りにして入り口に差し込み、空気通行口をつくります。
5.真ん中に差し込みます。これで空気が通りやすくなります。
完成!さっきのより縦長になった分火力が強くなりました!
このロケットコンロはほぼ完全燃焼です。完全燃焼すると、煙が出ないし灰も残りません。火を維持するために小枝や燃えるゴミを少しずつこまめに入れます。
いかがでしたか?お金がかからずつくれて実用的なロケットコンロ。ぜひお試しあれ!
【つくり方を教えてくれた人:山納銀之輔さん】
建築を始めとする素材を生かした空間づくり、ネイチャーワークのスペシャリストとして数々のメディアに取り上げられ、村づくりのコンサルタントや空間デザイン、里山料理の研究家と多方面で講師・講演活動を実施。地球環境と健康にやさしい素材を使い、『健康』『持続性』『デザイン性』を兼ね揃えた空間づくりを国内外で幅広く提案している。