不倫騒動など、謝罪の手紙がなにかと世間を騒がせた昨今。なかには、書いたことで、かえって相手の心証を害してしまったものも…。手紙の書き方コンサルタント・青木多香子さんに、失敗しない謝罪の手紙の極意を解説してもらいました。

メールと手紙の合わせワザが有効

メールと手紙の合わせワザが有効
すべての画像を見る(全3枚)

「謝らなくちゃ」…とわかっていても、謝罪は気が重いもの。「相手と顔を合わせづらい」と思っているうちに、相手との距離ができてしまいます。

 嫌な感情を引きずらず、上手に人づきあいをするためにも、誠意が伝わるお詫びの手紙の書き方を覚えておきましょう。

 もちろん、この書き方は、メールにも応用可能。ただし、手紙の方がよりフォーマルです。スピーディにメールでお詫びを入れ、さらに、手紙を書くことで、より誠実さが伝わるのではないでしょうか。

NG例も!ケース別謝罪の手紙の書き方

 自分では、謝罪しているつもりが、書き方によっては、相手の怒りをヒートアップさせてしまっている場合があるので、要注意!

ケース1)夫への謝罪の手紙

 ささいなことで夫婦げんかをしてしまった、翌日のお詫びの手紙を想定しています。まずは、NG例です。

 パパへ
 昨日はごめん。
 でも、仕事の後で疲れてたんだし、
 パパだって、もうちょっと大人になって
 私の話を聞いてくれてもよかったんじゃないかな?
 あれくらいのことで、怒鳴る必要もないと思うし。
 もうこういうけんか、嫌なんだよね。仲直りしよう。
 明日香

<ここがNG!>

・謝罪なのに、上から目線

 自分だけが一方的に悪いわけではなく、内心、相手にも非があると思う場合もあるでしょう。しかし、「こんなことで怒るなんて」「そっちだって悪いよ」など、相手を攻める言葉は逆効果!

 相手の立場に立つと、そんな指摘はしてもらいたくないですよね。まずは、全面的に非を認めて、潔く謝りましょう。

 そして、相手にどうしてほしいかではなく、代わりに、反省の言葉と今後の改善策を、書いておいてはいかがでしょうか。あなたの誠意が伝われば、相手も「私も悪かった」と言ってくれるかもしれませんね。

・「でも」「だって」を使う

 事情を説明することは必要ですが、あまり長々書いていると、自分を正当化しているように受け取られてしまいます。「でも」「だって」は禁句。そのあとに続く言葉は、言い訳にしか聞こえなくなりますので、注意しましょう。

「ごめんなサンド」を使ったOK例

「ごめんなサンド」を使ったOK例

<ここがポイント!>

・ごめんなサンド

 手紙の最初と最後に、「ごめんなさい」と謝罪の気持ちを伝えます。

 謝罪の手紙では、冒頭に「季節の挨拶」などを入れる必要はなく、とにかく「ごめんなさい」と、お詫びの気持ちをつづります。そして、最後に、もう一度「ごめんなさい」。(「ごめんなさい」と「ごめんなさい」で本文を挟む、“サンドイッチ”のイメージです!)

 繰り返し、謝罪の言葉を書くことで、気持ちが、ストレートに伝わりやすくなります。

・相手の名前を繰り返す

「○○さんへ」と一度呼びかけるだけでなく、文中で、相手の名前を何度も入れましょう。相手に対する特別感、親近感が増し、あなたの手紙に、じっくり向き合ってもらえます。気がつけば、怒りも軽減!

・プラスの言葉を添える

「いつもありがとう」「感謝しています」というような、日ごろの感謝の気持ちを添えても◎。けんかしたこととは切り離して、相手を大切な存在として、認めていることが伝わります。