●捨てたくない親への働きかけ方

「ものが多くても気にならない」「判断することが面倒」といった理由で、片づけを先延ばしにする、高齢の親は多いと思います。

そこで

「捨てることが目的ではなく、安心安全のための片づけであること」を理解してもらう必要があると思い、「ものが多くて危ない」「心配している」、そしてもし突然なにかあったとき、「家族にとってすべてが思い出の品になり片づけがつらくなる」

ことを伝えました。

●最初に片づけるのにおすすめの場所

親に片づける順番の希望がなければ、キッチンをおすすめします。賞味期限切れの食品や何年も使っていない調理器具など処分しやすいものが多いからです。また片づけの効果も得られやすい場所でもあります。

キッチンの吊り戸棚
片づけて、中がからになったキッチンの吊り戸棚
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また、

物置きも、不用品や大きなものが収納されていることが多い

のではかどりやすいです。スペースができたら処分品や保留の仮置き場にできます。思い出の品や写真は時間がかかるので最後にしましょう。

●親と一緒に作業をする際に心がけたこと

親と作業をするときは、次のことを心がけました。

・共感する ・言葉を選ぶ(×捨てる→〇残す)

「これ〇〇さんからもらったのよ」と思い出話が始まったら、

話を聞いて共感

しましょう。「使ってないじゃない」「こんなに要らないでしょ」「なんでこれ買ったの?」のような責めるような言い方にならないように気をつけるのが大事です。話しをして気がすむと「でも要らないわね」とすんなり手放してくれることがあります。

「捨てる」という単語は、親世代にはとても抵抗があるようなので、「捨てる」より

「残すものを選ぶ」

という言葉を使うと前向きに作業ができます。

●片づけ手順

手順は整理収納の基本のやり方で。

「全部出す→いるものを残す(不要なものを取り除く)→戻す」

引き出しやコーナーの中身を全部出してついでに拭いて、いるものを戻します。そのほかのものは処分か保留に。

収納場所を考えるのは全体の整理が終わってから。

あとでほかから同じようなものが出てきて、大幅に変更することがあるからです。慣れるまでは引き出し1つずつなど、小さく区切る方が疲れません。

わが家の場合は、自転車で行ける距離に実家があるため、効果を実感した頃に次の作業ができる週1ペースで進めましたが、遠方に暮らす方の場合は、もっと時間がかかってしまうかもしれません。ですが、あくまで親のペースで、焦らずに進めることが重要だと感じています。

実家の片づけを考えている方にとって少しでも参考になればと思います。

【実家の片づけ体験その2は9月30日に配信予定です】