11月2日のTBS系情報番組『ビビット』で特集された、毛細血管のゴースト化。毛細血管は加齢とともに劣化し、体にあらゆる不調を生じさせる原因になるというのです。
日々の心がけで、毛細血管を増やす生活を
全身に張り巡らされている毛細血管は、生命活動を維持するために重要な役割をもっていますが、残念ながら40歳代から減少し始め、60歳代になると20歳代の頃に比べて4割も減少することがわかっています。
「毛細血管の劣化がすすむと、管はあるのに血液は流れない“ゴースト血管”になってしまいます。そうすると、全身のすみずみまで酸素や栄養がゆきわたらず、さらにたまった老廃物が回収されないので、体にさまざまな不調がもたらされるのです」。そう語るのは、ハーバード大学医学部客員教授・根来秀行先生。高血圧や糖尿病、心疾患、がんに至るまでの生活習慣病の原因にもなりかねないと続けます。
「でも、『運動』『休息』『食事』の毎日のちょっとした心がけで毛細血管の減少をくいとめ、増やすこともできるんです」。生活に取り入れやすい毛細血管力を高めるための方法を、根来先生が紹介してくれました。
●まずは毛細血管老化度チェック
当てはまる項目が多ければ多いほど、毛細血管のゴースト化の恐れあり!
・白髪が急に増えた、薄毛、毛が抜けやすい
・顔色が悪い、シミ、しわ、くま、たるみ、そばかす、にきび、吹き出物がある
・乾燥肌、肌がざらついている
・頭痛、肩こり、首こり、腰痛、ひざ痛がある
・傷が治りにくい、すぐ青あざができる、血管が浮き出てきた
・目が乾く、目が痛い、かすむ、充血している
・口が乾く、くちびるや下の色が悪い
・耳鳴りがする、鼻血が出やすい、鼻水が出やすい
●1日20分の「運動」が毛細血管を増やす
毛細血管を増やすために有効な運動は、筋トレ+有酸素運動です。2つの運動を併用することで筋肉の細胞は酸素を大量に必要とし、それに応えるために毛細血管は新生されるからです。
すべての画像を見る(全3枚)筋トレ5分+ウォーキング15分。どちらか一方だけではなく、筋トレ→ウォーキングの順にやると血管若返りの効果が高まります。筋トレは、腕を鍛える「腕立て伏せ」、体幹を鍛える「腹筋+背筋」、脚を鍛える「スクワット」のいずれかを1日5分、ゆっくりしたペースで行いましょう。ただし、同じ部位の筋トレは、筋肉に負荷がかかるので1~2日おきに。有酸素運動は、ウォーキングがおすすめです。
●リラックスすることも重要!「休息」で毛細血管を増やす
末梢の毛細血管まで滞りなく血液をゆきわたらせるためには、血管をゆるませることが欠かせません。そのためには、休息によって心身をリラックスさせることが重要なのです。
血管を丈夫に保つには、脳で分泌をコントロールしている血管若返りホルモンを正しく分泌させることが大切。睡眠、呼吸法、マインドフルネス、入浴法などでリラックスを心がけましょう。
●質のよい休息を得る睡眠のルール
「休息」といえば睡眠ですが、若返りホルモンを増やす睡眠ルールをチェックしましょう。とくに寝る前のルールをご紹介します。
・理想的な睡眠時間は7時間
・午後11時~午前6時がホルモン分泌の面で最高の睡眠タイム
・寝る前にはカフェインを含む飲料、アルコール飲料は避けて
・歯みがきや入浴も寝る1時間前にすませて、スマホは電源オフに
食の乱れが毛細血管の劣化を招く!対策できる食べ物は?
食生活の乱れは、毛細血管の衰えに直接的に影響します。そのため、毛細血管を増やすためには食生活の改善が急務。毛細血管を強くする食事の改善ポイントはいくつかありますが、ここではとるだけで毛細血管が増えると言われている食べ物をご紹介します。
●とるだけでも毛細血管が増える!?食べ物
効果的に毛細血管を増やすといわれている食材が、「シナモン」「ルイボスティー」「ヒハツ」の3つ。これらの食材にはTie2という受容体を活性化させる働きがあるのです。食事や飲み物にちょいたしし、2か月をめどに取り入れてみましょう。
【1日の摂取量の目安】シナモン 小さじ1(※長期間にわたる大量摂取は肝臓の負担になるのでNG。妊娠・授乳中は控えましょう)
ルイボスティー 2~3杯
ヒハツ(ロングペッパー) 小さじ1/2 ※1日最大2g以内に
そのほかにも、血流アップや毛細血管を強くすることができる食材やレシピがあります。興味がある方は、『
毛細血管を増やして 病気にならない、老けない体をつくる』(扶桑社刊)をチェックしてください。日々の食事に取り入れて、健康維持、アンチエイジングに役立ててみてはいかがでしょう。