専有面積が約58㎡とは思えない開放的なLDKをマンションリノベーションで実現した夫妻。その秘訣は、適切な場所に収納を設けて限りあるスペースをとことん有効活用することと、視線の抜けをつくること。ガラス扉の採用や間取りの工夫によって視線が抜け、ゆったりとくつろげる空間になりました。
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壁づけキッチンでリビングダイニングの広さを確保リビングはニッチをフォーカルポイントに視線がスッと抜けるガラス扉で開放感を演出寝室はタテ空間を活用して収納量をプラス水まわりも白で統一してスッキリ間取り(リノベーション前後)壁づけキッチンでリビングダイニングの広さを確保
LDKは壁や建具、天井を白で統一したことで広がりを演出し、フローリングの木の質感がより映える空間に。いきいきとした観葉植物のグリーンがアクセントになっています。
キッチンは、壁づけにすることで暮らしの中心となるLDKの広さを確保しつつ、その脇に壁面収納を設けることで、スッキリとした印象に。本や雑誌をはじめ、リビングで使うものをここにまとめて収納し、夫の「生活感を出したくない」という要望を実現しました。
広さを確保するために、LDKの中心に位置していたキッチンを壁づけに変更。その結果、キッチン背面にパントリースペースを確保できました。
スチールシェルフを置いて、家電やキッチンまわりの小物を収納しています。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
30代夫妻
▼リノベを選んだ理由
生活感を出さずに好きなものに囲まれて暮らしたかったから。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/57.51㎡ 工事費/1520万円(税込み・設計料別)
リビングはニッチをフォーカルポイントに
撤去できないパイプスペースにはキッチンと同じタイルを貼り、空間にうまくなじませました。また、その横にはワイドなニッチを造作。夫がこれまで集めてきた雑貨のコレクションをディスプレイ収納しています。
「以前は場所がなかったので、飾るのを諦めていました。フィギュアなどがきれいに収まるよう、奥行きや棚板の厚さにもこだわって造作したので、とても気に入っています」と夫。
ダイニングテーブルと椅子はパシフィックファニチャーサービスのもの。飽きのこないシンプルなデザインです。
視線がスッと抜けるガラス扉で開放感を演出
リビング入り口の扉にはガラス入りの引き戸を採用し、開放感を演出しました。扉を閉めていても明るく、LDKから玄関や寝室まで視線が届くので、一体感が感じられます。
開閉スペースを必要としない引き戸を採用したことで、扉付近の壁際に掃除機やグリーンを置くことができるようになりました。
寝室はタテ空間を活用して収納量をプラス
廊下に面した寝室は、出入りがしやすいように扉を設けず、ロールスクリーンを設置。壁には室内窓を取り入れ、ゆるやかに廊下とのつながりをもたせました。
造作したロフトベッドの下は通路側が引き出し収納、奥が床下収納になっています。さらに、壁の向こう側にも2畳ほどの収納スペースを確保しました。
床下収納は奥行きも深さも十分にあるので、使う頻度が低い季節家電や大きなものをまとめて収納できます。
また、寝室には大型のクローゼットを設置。洋服が好きな夫妻のふだん使いの衣類を収納しています。
水まわりも白で統一してスッキリ
玄関の正面にせり出すように位置していたトイレを壁沿いに移動したことで、玄関からLDKまで視線が抜け、奥行きが感じられるようになりました。
サニタリーは壁に白いタイルを取り入れ、LDKと統一感を。ワイドな鏡のおかげで、より広々と感じられます。小物をスッキリ収納できるようにニッチも設けました。
限られた空間をうまく活用することで、くつろぎのスペースも十分な収納量もしっかりと確保。機能的でゆとりを感じられる住まいとなりました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工/unリノベーション
一人ひとりの価値観を反映したオリジナリティのある住まい。そこで過ごす“いい時間”の創造をコンセプトに掲げる。リノベ向きの物件の仲介はもちろん、設計前にはしっかりとヒアリングを行い、高いデザイン力で家族の理想をカタチに。施工実績は1000件以上。
撮影/小川 聡 ※情報は「リライフプラスvol.40」取材時のものです