漆喰仕上げの壁に、無垢のナラ材を採用した床。家具工事による造作収納も備えたN邸のLDKには、ウェグナーのヴィンテージソファやヤコブソンランプが配されています。インテリアにこだわりを持つ夫がリノベで重視したのは「素材感」だったといいます。上質で洗練された空間に仕上がった住まいを、さっそくご紹介しましょう。

壁を漆喰、床を無垢材で仕上げた、北欧インテリアの似合うリビングダイニング
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目次:

木の温もりが感じられるカウンター収納を造作リビングの一角には子どもの遊び場になる小上がりスペースも洗面室やトイレにもナチュラルな素材感を生かして子ども部屋には秘密基地みたいなロフトベッドが!間取り(リノベーション前後)

木の温もりが感じられるカウンター収納を造作

造作の木製カウンターで一体感を持たせたダイニングキッチン

ダイニングの壁際には、キッチンまで続くカウンター収納を家具工事で造作。収納だけでなく、子どもの写真やお気に入りの器のディスプレイスペースとしても活用されています。

ダイニング側とキッチン側で奥行を変えた造作収納

壁面のカウンター収納は、奥のダイニング部分と手前のキッチン部分で微妙に奥行を変えています。ダイニングチェアとの間に適度な間隔ができたおかげで座ったり立ち上がったりがスムーズ。キッチン側には奥行のある家電を置くことができました。

「シンプルですが、既製品にはないよさがあり、使い勝手もいいですね」(夫)

オープンにしてLDと一体にしたキッチン

以前は独立していたキッチンをオープンにしてLDと一体化。対面式のキッチンとなり、リビングで遊ぶ子どもを見守りながら家事ができます。腰壁を立ち上げて、キッチン内部が丸見えにならない工夫も施しました。

リノベ会社アネストワンのオリジナル建具

LDKの出入り口の木製ドアは、リノベを依頼したアネストワンのオリジナル。ここにも木の温もりが生かされています。

キッチンはLIXILのシステムキッチンを採用

キッチンはLIXILの高級ライン「リシェル」を採用。斜めに貼った床のタイルは名古屋モザイク工業のもの。奥の白い引き戸は洗面室&浴室につながっています。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
夫30歳 妻31歳 長女3歳

▼リノベを選んだ理由
以前住んでいた社宅は、妻の通勤に不便で好みの空間にアレンジできないのも不満だった。戸建てや新築マンションも検討するなかで、自分たちには中古物件×リノベが合っていると気づき、割安な中古マンションを購入。工事費にしっかりと予算をあててリノベをおこなった。

▼住宅の面積やコスト
専有面積/69.70㎡ 物件価格/1300万円 工事費/約1200万円(税・設計料込み。施主支給品は別)

リビングの一角には子どもの遊び場になる小上がりスペースも

リビングの一角に設けた小上がりの畳スペース

「畳の部屋が欲しい」という妻の要望に応えて、リビングの一角には小上がりになった畳スペースを設けました。来客時には客間になり、下部は収納に活用。子どものお気に入りの遊び場になっています。一部、天井が低くなっているところは、隣接の子ども部屋のロフトベッドに当たる部分です。

乱尺張りとヘリンボーン張りを組み合わせたリビングの床

リビングダイニングの床は、同じナラ材を使いながら、ベーシックな乱尺張りと個性的なヘリンボーン張りを組み合わせています。さまざまな木の表情が楽しめ、リビングとダイニングをゆるやかにゾーニングする効果も。

ウッドデッキを設置したバルコニー

バルコニーにはウッドデッキを設置。室内の延長として気軽に行き来でき、リビングダイニングがより広く感じられます。夫は多肉植物にはまっていて、妻はミニ家庭菜園を楽しんでいるとか。

洗面室やトイレにもナチュラルな素材感を生かして

洗濯物の保管スペースも設けた造作の洗面台

夫のアイディアを生かして造作した洗面台は、収納と一体化した余裕のあるつくり。カウンター下の上部が開いた扉の中には洗濯カゴが内蔵されていて、脱いだ衣類をポンポン入れることができ、見た目もすっきり。右手が浴室で、手前には洗濯機もあり、動線にムダがありません。

洗面室とキッチンが隣接した家事効率のいい間取り

手前の洗面室とキッチンが引き戸1枚でつながる家事効率のいい間取り。料理をしながら洗濯をするといった具合に、家事の同時進行がスムーズです。

壁の1面にネイビーのクロスを使ったトイレ

トイレの位置を変えずに設備と内装を一新。壁の1面にネイビーのクロスを貼ったことで落ち着いた空間になりました。

アネストワンのオリジナルのペーパーホルダーを採用

木の質感が生かされた2連のペーパーホルダーは、スマホなど、上にちょっと物を置けるのも便利。

子ども部屋には秘密基地みたいなロフトベッドが!

ロフトベッドのあるコンパクトな子ども部屋

コンパクトながらロフトベッドのあるユニークな子ども部屋。ベッドの下の部分は、隣接するリビングの小上がりスペースです。ロフト上部の壁の1面をピンクのクロスにして、明るい雰囲気に仕上げました。

タイルや造作の下駄箱がぬくもりを与える玄関

たたき部分にキッチンと色違いのタイルを斜めに貼った玄関。右手には家具工事で下駄箱を造作し、マンションの玄関が温もりの感じられるスペースに生まれ変わりました。

子どもの様子を見守れる対面キッチン

「LDKを居心地のいい空間にしたかったので、個室の内装はシンプルなものにするなどコストのバランスも考えました」と夫。「以前より家族がLDKで一緒に過ごす時間が増えました」と妻。素材感にこだわったリノベで、家族の時間もインテリアも充実させることができました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前

リノベーション後の間取り図

リノベーション後

設計・施工/アネストワン
設計・施工はもちろん不動産の売買・仲介も手掛け、物件探しから引き渡しまで、ワンストップでリノベーションをサポートする。自然素材を多用する家づくりのモットーは、時間とともに味わいを増す「本物で、心地よく、温かみのある空間」。オリジナルキッチンや家具のデザインも得意。同社が運営するインテリアショップ「トリノス」も好評。

撮影/飯貝拓司 ※情報は「リライフプラスvol.23」取材時のものです