オープンでコンパクトながら、生活感が押さえられている。しかも、家族が自然と集まりたくなるようなキッチン。そんなお手本のようなキッチンプランを紹介します。今回お見せする実例は、自身がリノベーションしたマンションに暮らす建築家夫婦のキッチン。新築やリノベーションを考えるなら、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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キッチンを落ち着きあるインテリアのようにデザイン

建築家・小嶋さん一家が会話を楽しむ場所としても機能するキッチンダイニング。冷蔵庫の存在や台所道具が自然と空間に溶け込み、インテリアの一部になっています。

 ダイニングテーブルとキッチンの面材にはラワン材の合板を使用。木材を統一することで、穏やかで落ち着いた雰囲気に。

 

ダイニングテーブル下の空間を生かした調理家電&ゴミ箱収納スペース。

 

人が集うキッチンを家の中心的な空間に

リノベーションを行う1年前から住み始め、暮らしながらどこをどう直すかプランを練ったという、夫婦ともに設計士の小嶋さん宅。「以前の間取りは奥まった場所にキッチンがあって、リビングで遊ぶ子どもたちの様子が見えなかった」ことから、キッチンから全体が見渡せるような間取りを採用。スケルトン状態にして、元和室だった場所にキッチンを設けることに。

そこで問題になったのが、換気問題。元和室にはダクト貫通穴がなかったため、部屋を横断して元のキッチンの場所にダクトを通す必要がありました。そこで室内循環型のレンジフードを採用することに。

「室内循環型だとダクト配管の制約がなくなるので、キッチンの場所をガラッと変えることができました」

 

配置はもちろん、キッチンのサイズや収納の工夫も随所に。一般的なキッチンの奥行きは65㎝ですが、冷蔵庫の奥行きに合わせて70㎝に。キッチンと冷蔵庫の面が一直線に並び、悪目立ちしがちな冷蔵庫がうまくキッチンに溶け込んでいます。キッチンの奥行きを5㎝深く取ったことで、収納スペースもその奥行き分しっかり確保できました。

また、キッチンをはじめ、家全体の要素としてこだわったのは和の要素。壁をクロスではなく耐久性の高い外壁用の珪藻土で仕上げたり、キッチンの壁面には一枚一枚色ムラのある窯変ボーダータイルを採用したりするなど、和の質感や雰囲気の感じられる素材を取り入れています。

「インターネットで簡単に情報が得られる昨今、自分自身の感受性が失われているような感覚があったんです。キッチンは家の中心で家族や友人、事務所のスタッフなど人がいちばん集まる場所。みんなの想いやエネルギーが集まって、いろいろな創作のアイデアが湧くような場所にしたいなと思っています」

 

調理中にさっと調味料が取れるよう、奥行きの浅い棚を2段設置。

 

シンク下は配管が通っているためデッドスペースになりがち。そこで配管を避けるようにコの字型の引き出しをつくって収納力をアップ。

 

以前はウォーターサーバーを利用していた小嶋さん。スペースを取るため、グローエとクリンスイがコラボした浄水器つきの水栓を採用しました。

 

小嶋さんの得意料理拝見!

「皿洗いは苦手だけど、料理は好き」という伸也さんお手製のチキンカレー。鶏肉は塩こうじに漬け込んでジューシーな仕上がりに。

 

食後のデザートに手づくりの甘酒アイスを添えて。

 

My Favorite Kitchen Item!

器作家・中村かおり氏の花をモチーフにした薄くて繊細な器。大福など和菓子をのせて。

 

金継ぎが施された茶わん。割れや欠け具合によってひとつひとつ表情が違うところが魅力。

 

カラフルで愛嬌のある鳥モチーフの醤油差しは、友人からのプレゼント。陶器製。

 

健康のために鉄分を取ろうと購入した南部鉄器の鉄瓶。朝に白湯を飲んだり、お茶を煎れたり。

 

 デロンギのエスプレッソマシーン。家の中でもカフェ気分が味わえるとあってお気に入り。

 

小嶋邸Data

住所/東京都目黒区

家族構成/夫:30代 妻:30代 長女:保育園児 長男:未就園児

専有面積/90.00㎡

竣工/2021年1月 

 

※情報は「リライフプラスvol.42」取材時のものです

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