「ゴミはゴミ箱に入れる」。そんな”常識”を疑った経験のある人は少ないのではないでしょうか。「ゴミ箱がゴミ捨てに必ず便利とは限りません」と語るのは、思考と空間の整理のプロ、ライフオーガナイザーの森麻紀さん。森さんのお宅では、捨てる場所や設置場所によって、ゴミ箱ではないものをあえて利用。スムーズなゴミ捨ての仕組みを実現しています。森さんに詳しく話を伺いました。
すべての画像を見る(全8枚)「ゴミはゴミ箱へ」という既成概念から解放されることが重要
住む地域によっては、分別が非常に細かくなることもあるゴミ事情。ゴミの種類の分だけゴミ箱を用意するとなると、居住スペースへの圧迫感は否めません。そこで森さんは、存在感の強くない収納グッズを活用したり、デッドスペースにうまく合うものを利用したりすることで、効率的にゴミ捨て場を設置。便利で快適なゴミ処理の仕組みを実現しています。
●ランドリーバスケットをプラゴミ専用のゴミ箱に!
冷蔵庫の左横(レンジの真下)にある筒状の入れ物、本来はランドリーバスケットとして売られていたもの。わが家では、こちらにプラゴミ(プラスチック製包装容器の資源ごみ)を入れています。45リットルのゴミ袋がちょうど入るサイズで、軽くて移動しやすく、プラゴミがいっぱいになっても、布製なので多少の融通がきくところがポイント。膨らんで見た目が不格好にはなりますが…(笑)。
●引き出し収納そのものをゴミ箱として利用
こちらは、引き出し収納ケースですが、右下には、あきビン、あき缶、発火性危険物、不燃ゴミ(小さいサイズのみ)を入れています。一見、ゴミ箱とはわからないゴミ置き場です。
ちなみに、不燃ゴミは、収納ケースの中に子どもが小さいころに使っていたマグカップを入れ、その中にまとめています。家電量販店などの回収ボックスに持ち込むためのボタン電池やインクカートリッジなども収納ケースに入れています。
●デッドスペースにエコバッグを引っかけてゴミ入れに!回収もスムーズ
冷蔵庫と壁の間の隙間には布製の手提げ袋がかけてあり、この中には拠点回収(スーパー持ち込み)用の紙パック、ペットボトル、食品トレーが入っています。この袋のままスーパーへもっていき、ゴミを捨てたあとは、少量の買い物であれば、買物後のエコバッグにもなります。
●100均のハンディポップ入れを2つつり下げてプラゴミと可燃物ゴミ入れに
寝室にあるチェストの低い位置には、とあるグッズを取りつけ、奥がプラゴミ用で、手前が可燃物用にゴミ箱にしています。寝室でも、マスクの個別包装袋や湿布のフィルムなどプラゴミが出ることがあるので、分別するのが効率的。事前に分けておけば回収のときも便利です。ゴミ箱が2つあることになりますが、宙に浮かせているので床掃除にはまったく支障がないのがポイント!
じつはこのゴミ箱、100円ショップで売られているハンディモップ入れ。ちょうどいい大きさのうえに、フックにしっかり引っかけられるところも気に入っています。
●ゴミ箱は必要という常識を捨ててゴミ袋だけですます
洗面所では、束になったゴミ袋をつり下げています。ゴミ箱はやめてしまいました。こうしておくと、そのつどゴミ袋をセットする手間も省けるし、水で濡れたゴミも躊躇なく袋の中に放り込めます。また、ゴミ袋のストックが常にそこにあるという安心感もあります。
いかがでしたか? なかには百貨店やブランドの紙袋やオシャレなカゴをゴミ箱代わりにしているって人もいますよね。既成概念にとらわれないようにすれば、ゴミ箱に見えないものがゴミ箱の役割を果たしてくれたり、掃除がラクになったりするものです。いろいろ工夫してみてください。