住み慣れていて職場も近い立川市で新たな暮らしをスタートさせたTさん。以前は近所で賃貸暮らしでしたが、持ち家の購入を検討していくなか、不動産会社にすすめられたのがこちらのマンションでした。築年数は21年と古すぎずリノベーション済み、そして約58㎡という広さもちょうどよいと感じて購入を決意。リノベーション会社・ブルースタジオに依頼した経験のある友人から話を聞いて同社のセミナーに参加し、依頼することを決めたTさん。新品の既存設備を活用しながら、ブルーをテーマカラーにしたオリジナルの空間に仕上げました。

ダイニングキッチンはブルーで統一
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目次:

のれんとカウンター、小上がりが居酒屋風なダイニングキッチン小上がりによって空間に立体感を壁と同色で塗装した、遊び心のある隠し壁廊下や水回りは手を加えず既存利用

のれんとカウンター、小上がりが居酒屋風なダイニングキッチン

居酒屋を思わせるダイニングキッチン

リノベーション済みの物件だったため、予算上、水回りと寝るだけの部屋は既存のままでいいと割り切り、ダイニングキッチンに予算を投入。「家の中に、居心地のいい店のような空間を作りたかった」とTさんは話します。

写真右手の味のある扉を開けてLDKに入ると、存在感のあるカウンターキッチンが現れます。なんと昔実家で使っていたテーブルの天板を活用して、こちらのカウンターを作ったのだそう。

藍染の「のれん」は友人の新築祝いで、Tさんの家紋と「行きつけ」を意味する英文字が染め抜かれています。

また、キッチンの腰壁は目を惹くような鮮やかなブルーで塗装し、その奥の柱に張ったタイルも濃淡のブルーと、テーマカラーを設けて一体感を演出しました。

既存の設備を活用したキッチン

新品だった既存のコンロや水栓を組み込んだL字型キッチン。大きな窓から光が入ります。

キッチンは見せる収納

キッチンは「見せる収納」を取り入れたことで、鍋もグラスも取り出しがスムーズです。「キッチンはとても機能的で、よく料理をするようになりました。ゲストを料理でもてなすのも楽しいし、親しい友人がつくってくれることもあります」とTさん。

小上がりによって空間に立体感を

ダイニングキッチンの奥に小上がり

カウンターテーブルの奥には小上がりが続き、どこか居酒屋を思わせる空間に。フラットだった部屋を立体化させることで、視線を上部に誘っています。天井は躯体コンクリート現しとし、高さを出して開放感をアップ。

収納を兼ねた小上がり

小上がりには食後に自然と足が向くのだそう。床との段差は大容量の収納に活用されています。

「父が残したジャズのLPレコードもこの中に収納しています。たまに出して、そのために新しく買ったプレイヤーで聴くことも」とTさん。随所に並ぶこけしが可愛いアクセントに。

壁と同色で塗装した、遊び心のある隠し壁

ブルーの壁がアクセント

LDKの一角には、キッチンの腰壁と同じくブルーで塗装された壁が。「壁を塗りたいけど、どこがいいか悩んだ」というTさんがブルースタジオの設計担当者と相談し、選んだのがダイニングの南面でした。

ブルーに塗装した上に棚板を付けて、コレクションのこけしを飾っています。

壁と一体化した寝室への扉

一見すると壁の一部のように見える部分が、実は寝室の扉になっています。

既存利用の寝室

購入時、フローリングやクロスなどの内装はすでにリフォームされていたので、今回はドアの交換のみにとどめて既存を活用しました。

ウォークインクローゼットを新設した洋室

一方、もうひとつの洋室にはウォークインクローゼットを新設。床はラワン合板張りとし、現しにした躯体壁は塗装せず、ワイルドな雰囲気をそのまま残しました。

廊下や水回りは手を加えず既存利用

モルタル仕上げの玄関土間

玄関土間は床の仕上げを長尺シートからモルタルに変更。靴収納はオープンにして、奥行き感と容量を確保しました。

「廊下はとりあえず既存のまま暮らしていますが、イマイチなので次の機会にリノベしたい」と、ここでも確固たる優先順位でリノベを進めたTさんの決意が感じられます。

トイレは新品をそのまま活用

トイレは新品に交換済み。壁などの内装もきれいだったのでそのまま活用することに。

リノベ済の水まわりは既存利用

洗面兼脱衣室は広々としたスペースで、洗濯機もゆったりと設置されています。飾り気はありませんが、新品の洗面台は必要かつ十分な機能を備えていて「まずはこのまま」と既存利用しました。

リノベ済のバスルームは既存利用

ユニットバスも最新の機能的なものに交換されていたので、そのまま活用。「とりあえずこのままでも、と踏み切れるところがリノベ済み物件の利点」とTさん。

資金が貯まったら水回りや寝室、廊下などのリノベ計画を進めたい、というTさんの住まいは今後も少しずつ姿を変えていきそうです。

設計/ブルースタジオ
撮影/ 山田耕司
※情報は「リライフプラス vol.31」掲載時のものです