肩や腕が上がらない、肩甲骨のあたりがかたい…などのつらい肩の症状は、つっぱり棒や自転車ヒモなどの100円グッズを使って、自宅で改善してみませんか?
“痛み改善ドクター”富永喜代先生に方法を伺いました。

100円のつっぱり棒で!肩コリに効く肩ほぐしストレッチ

肩がコチコチ、腕が上がりにくいなどの症状は、つっぱり棒を振り子のように動かし、肩甲骨周辺の筋肉をほぐすことで改善します。

最初は、腕を無理に高く上げず、痛みを感じる手前でやめること。続けていくと、肩の可動域も広がり、上げる側の腕が他人に引っぱられているような感覚に。自然と高く上がるようになると、肩甲骨周辺の筋肉がほぐれてきた証拠です。

●ポールが細めで軽いつっぱり棒がおすすめ

つっぱり棒
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今回使ったのは、100円ショップで売られている、長さが調節できるつっぱり棒(50~90cm伸縮式)。

ポールが細めで軽いものが両手でラクに支えられて最適です。

【基本のやり方】

両足に肩幅に

(1) 両足を肩幅に広げ、体の力を抜いて、リラックスした状態で立ち、つっぱり棒を両手で持つ。つっぱり棒の長さを肩のラインから左右それぞれ15cm外側に調整し、握るのではなく手のひらで支えるようにする。

手のひら

手のひらの中央につっぱり棒の両端を押し当て、固定する。手首に力を入れないように注意。

肩と水平

(2) 右腕の力を抜き、左手でつっぱり棒を肩と水平になるくらいまで押し上げる。

反動を利用

(3) (2)の反動を利用して、左腕の力を抜き右手でつっぱり棒を肩と水平になるくらいまで押し上げる。

5往復

(4) (3)の反動を利用して、左手でつっぱり棒を押して、右腕を上がるところ(つらさを感じない高さ)まで振り上げる。同様に右手でも押し上げ、(2)~(4)を行う。これを5往復する。

NG

腕が上がりにくいと、ひじを曲げて持ち上げてしまいがち。上げる方のひじは必ず伸ばしたままで、無理なく上げられる高さでよい。

●さらに効果アップ!後ろ手に持ち肩から背中をほぐす方法

つっぱり棒を両手で後ろ手に持ち、ひじを伸ばしたまま床と平行に上げ20秒間キープ。

手のひらを外側に

このとき、無理に上げすぎないよう注意。肩甲骨から背中にかけての筋肉が刺激され、肩から背筋にかけてのコリがほぐされます。

ポイント

肩がよく動くように、手のひらを外側にして、つっぱり棒は軽く握る。

20秒キープ

ひじを伸ばしたまま20秒間キープします。

肩コリに!自転車ヒモで肩甲骨をほぐすストレッチ

自転車ヒモを利用し、かたくなってしまった肩甲骨回りの筋肉をほぐすストレッチ。ボートのオールをこぐような動きを意識して、ヒモを引くときは息を吐き、左右の肩甲骨を背骨に近づけていくイメージです。

想像以上につらい動きですが、あくまで気持ちのいいと感じる範囲で行えばOK。肩甲骨が前後左右に大きく動かされるので、血行がよくなり、つらいコリが軽減します。

●長さ3m程度で、ゴムのような伸縮性のある自転車ヒモを使用

自転車ヒモ

100円ショップで売っている自転車ヒモを使用。長さ3m程度で、ゴムのような伸縮性があるものなら、ゴムチューブで行うトレーニングと同じように使用できる。

肩幅に開く

(1) 両手で自転車ヒモの端を持ち、ひざ下でクロスさせ両足でヒモを踏む。足を肩幅に広げて左右の手を肩のラインからそれぞれ15cmくらいまで広げ、ヒモがはった状態になるように手元で長さを調整する。

巻いて調節

自転車ヒモがはった状態になるように、ヒモを手にくるくると巻きつけてしっかり握る。

上体を傾け

(2) 上体を少し前に傾け、ヒモを伸ばすようにして両ひじを開く。

しっかり踏む

(3) 上体を傾けたまま、両手で自転車ヒモをゆっくり後ろに引いたら、元に戻す。5回繰り返す。

左右に均等

ヒモがずれないよう、親指のつけ根と土踏まずの間でしっかり踏む。

肩甲骨を寄せる

自転車ヒモを後ろに引くときは、肩甲骨をグッと内側に引き寄せる感覚で行うとよい。