結婚前から住まいを探し、一時は戸建てを新築しようとしたこともあったという小峯さん夫妻。予算について検討した結果マンションのリノベーションにシフトし、ブルースタジオに相談しました。そして、初めて内覧したのが現在住んでいる東京都目黒区にある築45年のマンション。工事費820万円(設計料込)をかけて、憧れていたカフェのようなキッチンのある家を完成させました。
すべての画像を見る(全10枚)インナーバルコニーのある明るいLDK
キッチンはドーンと広く、オープンに。でも面積がコンパクトだからダイニングテーブルと一体に、などキッチンへのこだわりが強かった小峯さん夫妻。
空間と予算に限りがあるなか選択したのは、ブルースタジオが行っているセレクトオーダー型のリノベーションサービス「TOKYO*STANDARD」。仕上げや設備の標準仕様は決まっていますが、間取りは自由設計。設計担当の高木亮さんは、キッチンを中心に据えたメリハリあるプランをつくってくれました。
まず、LDKの広さを確保。そして寝室、クロゼット、水まわりはまとめてレイアウトをしました。
明るいリビングには、フリッツハンセンのアルファベットソファを置いて、くつろぎのスペースに。ソファに寄りかかって、ローテーブルで食事をすることもあるのだそう。
バルコニーはひと工夫して、リビングのフローリングと高さを同じに。窓を開ければ、バルコニーもリビングの一部かのようなつながりが感じられ、よりLDKに広がりをもたせることができました。
LDKと寝室は上部にガラスブロックが入った壁で仕切られています。寝室は手持ちのベッドを置いて通路を確保しただけの最小限のスペースですが、窓側のインナーバルコニーを介してリビングとつながっているため閉塞感はありません。
インナーバルコニーには造作デスクを置き、ワークスペースとしても活用。
寝室の奥にはウォークインクロゼットを設け、キッチンカウンターの背面からもアクセスできるようにしました。
ステンレス×人工大理石の迫力キッチン
カフェっぽい雰囲気でかっこよく、でもスタイリッシュすぎない、というのが小峯さん夫妻のキッチンのイメージでした。さらにステンレスにこだわった妻の要望を反映させ、壁付け用のステンレスキッチンをベースにアレンジ。
人工大理石のカウンターとテーブルをL字型に配置して、ダイニングテーブルを兼ねたアイランドキッチンに変身。作業台を隠して生活感を感じさせないよう、キッチンとカウンターの間には壁を立ち上げています。
カウンター付きのオープンキッチンは小峯さん夫妻がイメージした通りのカフェっぽい雰囲気に。調理をしながらコミュニケーションもとりやすく、居心地も良いそう。
玄関回りはフレキシブルに活用
玄関からLDKへの通路には扉がなく、視線が奥まで抜けていきます。玄関脇の居室は、いずれ子ども部屋にする予定ですが、夫婦ふたりのうちはフリースペースとして活用。
完全な個室にはせず、玄関側にガラス壁を立て、LDK側は腰壁にし、視覚的な広がりを演出しています。
また、マンションの駐輪場代が高いため、自転車を置けるように玄関土間を広めに確保しました。
フリースペースのカーペットは黒を選択。白×黒の組み合わせを貫き、コーディネートを楽しんでいます。
玄関を広げるために、トイレ、洗面、浴室を移動し、配置を調整しました。マンション購入時にひととおりリフォームがされていたので、トイレは既存を活用。壁の色や照明、ワイヤーラックなどで個性をプラスしています。また、洗面台とユニットバスは「TOKYO*STANDARD」の標準仕様のものからチョイス。
キッチンへの熱いこだわりを見事に具現化し、カフェ風の居心地の良さと暮らしやすさを両立させた小峯邸でした。
設計 ブルースタジオ
撮影 山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.16」取材時のものです