Hさん夫妻は東京都荒川区内で中古マンションを購入。910万円(税・設計料込み)でリノベーション後、家族4人で暮らしています。当初は新築マンションの購入を考えていたそうで、夫妻は海外生活の経験もあることから、新居ではゆったりと暮らせる広さと開放的な間取りをイメージしていました。ところが、新築では希望の予算・間取りを叶える物件が見つからなかったといいます。そんななか手にしたリノベーション専門誌『リライフプラス』でリノベの自由度の高さを知り、方向転換することに。そして購入時、築10年(平成17年築)と築浅で、しかも専有面積100.42平米というゆとりのある中古物件を見つけたのです。既存の間取りは3LDK+和室でしたが、開放的な間取りはどう叶えたのでしょうか。

目次:

ゲストも楽しめるアイランドキッチンを造作!既存を生かすことで高級材インドネシアチークを採用!将来の住まい方も考えたプランに

ゲストも楽しめるアイランドキッチンを造作!

キッチン
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リノベの設計は『リライフプラス』を見て「デザインにひかれていた」というブルースタジオに依頼しました。LDKでまず目をひくのはアイランドキッチンです。「以前の家は独立タイプのキッチンだったので、新居では家族やゲストと調理も会話も楽しめるキッチンにしたいと思いました」と妻。
既存では半独立タイプだったキッチンの壁を取り払い、まずはLDKを開放的な一体型に。さらにキッチンの位置を動かすことで、オープンなアイランド型を実現しました。

キッチン

キッチンはステンレスの天板とラワン材を組み合わせ、長さ2500㎜×幅920㎜のワイドサイズで造作。このサイズならば、ゲストが多くても対応できますね。

キッチン

キッチンには「隠す収納」と、食器などを飾って楽しむ「見せる収納」の両方を設けています。

リノベ後のDK

以前から使っていたダイニングテーブルやチェストは、キッチンやフローリングの色に合わせて夫がDIY で塗装したそう。キッチンの床は配管を通すためにリビングより一段高くしましたが、それが程よいアクセントにもなっています。

キッチン

さらにダイニングキッチンの床には天然石のブラックスレートを採用することで、LDK一体型の空間を緩やかにゾーニングしています。

既存を生かすことで高級材インドネシアチークを採用!

リビング

リビングダイニングにあった収納は取り除き、空間を広げました。広くなったリビングの一角には、子ども用の勉強スペースも設けています。
夫がいちばんこだわったのが、フローリング材。使用したのは世界的に有名な高級材・インドネシアチークです。

LDK

「赤みのある深い色みと味わいのあるツヤ感が気に入って、これだけはコストをかけても使いたいと思いました」と夫妻。
そこでリノベ費用が予算オーバーしないよう、浴室や洗面室などはそのまま生かすことにしました。生かせるものが多いのは、築浅物件ならではですね。

玄関

設備だけでなく、扉も既存にシートを貼って再利用しています。

トイレ

トイレでは、既存の手洗い器付き収納カウンターを利用することでコストを抑えました。しかし、便器を交換した上で、壁の一部には「どうしても使いたかった」というサブウェイタイルを貼ることでHさんの満足度をいっそう高めています。

将来の住まい方も考えたプランに

エントランス

玄関の脇には、土間仕上げのシューズインクローゼットを新設しました。「家族全員で出かけるときにも、荷物を取ったり置いたりという動線がスムースで、とても気に入っています」と妻。

寝室

玄関ホールに面する個室は収納を取り払い、親子4人で使う広い寝室にしました。

玄関

寝室入り口のドアの横に設けた鏡は、将来取り外して、ドアにすることができるそう。いずれ寝室を2つの子ども部屋として使えるよう配慮したものです。

現在、子どもたちが遊び部屋として使っているのはこの個室。子どもたちが成長したら、ここを主寝室として使う予定です。新築ではなく、中古物件を自分たちに合わせてリノベにしたからこそできた工夫といえるかもしれません。

設計/ブルースタジオ
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.27」取材時のものです