テレビ番組や雑誌で大活躍する、「伝説の家政婦」ことタサン志麻さん。
そんな志麻さんの自宅キッチンは、狭いけれど、最新機能はないけれど。好きなものだけに囲まれた使いやすく居心地のいい場所。“私らしく”をいちばんに考えるフランス人をお手本にした、志麻さんがいちばん好きな場所です。
シンプルだけど遊び心満載!志麻さんのちょっとフレンチな台所
ここでは使いやすい工夫を細かく教えてもらいました。
●自分の“好き”に正直なフランス仕込みの台所
フランス人は、DIY好き。“私らしく”をなにより大切に、ベーシックな空間を自分好みに育てることに喜びを感じるのだとか。もちろん、志麻さん宅も例外ではありません。
「わが家の台所のベースは、ごくシンプルな業務用のステンレス。私自身の使いやすさや掃除のしやすさを追求しつつ、遊び心を加えながら、あれこれ考えて少しずつ空間づくりを楽しんでいます。本当に使いやすい台所って、きっと家庭によってそれぞれではないでしょうか」
志麻さん自身の“好き”と“使いやすい”をつめ込んだ台所。そこは、単なる“料理をする場所”としてだけではなく、自分らしさを表現できる、より楽しい空間をつくるヒントでいっぱいでした。
●きれいをキープする3つのルール
1.洗い物は調理しながらこまめに
増えるほど面倒になる洗い物。少ないうちにささっとすませた方が時短だし、断然ラク!
2.五徳は調理後に毎回洗う
油汚れはたまると落とすのが大変。まめに食器用洗剤でさっと洗うだけで、いつも清潔。
3.1日の終わりはシンクをペーパータオルでふきあげる
シンクの水気は雑菌繁殖のもと。熱いお湯で洗い、ふきあげる。水はね跡もスッキリ!
収納は「使う場所の近く」が定位置
よく使うものはあえて出しっぱなしに。使いやすい収納のコツを伺いました。
●カトラリー類はジャンルごとに分けて使いやすく
菜箸や木ベラ、お玉など、混ぜたりすくったりの道具でひとまとめ、さらにハサミやトングなどでひとまとめ。右端は家族4人分のカトラリー。「食事のたびに使うから、出しっぱなしでOK」
●保存袋などよく使うものはしまい込まない
引き出しを引く、扉をあける、の小さな手間がストレスになるから、使用頻度の高いものはワンアクションで手にとれる場所に。子どもの水筒、マグ類はカゴ収納。浅めを選ぶと出し入れしやすい。
●重いボトルは調理台下に置いて取り出しやすく
調味料を使うタイミングは、おもに鍋を火にかけている状態のとき。そんなわけで調味料類は、コンロ横の調理台下がベストポジション。重いボトル類は上にあるよりも下側の方が出し入れもラク。
●粉末調味料は、油汚れが気にならないコンロ近くに
よく使う砂糖、塩、軽い粉末調味料は、使う場所に近い場所…コンロ近くが定位置。「とはいえ、コンロ横だと油はねで汚れるので、あえて高い位置に棚をつけました。ちょっとした高さがあるだけで、汚れにくいんです」
【タサン志麻さん】
国内外のフレンチレストランで修業ののち、「より自由で簡単なフランス家庭料理を伝えたい」と家政婦に転身。東京都内の下町で、フランス人の夫・ロマンさん、2人の息子たちと暮らす。テレビなどメディアでも活躍。おもな著書に『
志麻さんのベストおかず プレミアムなほぼ100円おかず編』(扶桑社刊)。