九州を中心に展開するファミリーレストラン「ジョイフル」。地元から離れて暮らす九州出身者のなかには「故郷に帰った際は、必ずジョイフルに寄る!」というほど根強いファンも多いのではないでしょうか。
すべての画像を見る(全5枚)意外と知らなかった!「ジョイフル」の秘密とは?
今回はファミリーレストラン・ジョイフルの人気の秘密を、大分県にあるジョイフル本社の商品開発部部長の山本利明さんと総務部部長の冨永拓志さんにお話を伺いました。
●ジョイフルの始まりはなんと「焼き肉屋」だった!
西日本を中心に、多数の店舗を展開するジョイフル。スタートはなんと「焼肉屋」。これは九州民も意外と知らない情報のひとつです!
「ジョイフルの前身は、1976年に大分県で創業した『焼肉園』という焼肉屋です。店では、焼き肉のみならず、ハンバーグやサーロインステーキ、サイコロステーキなども提供していました。安くておいしい肉を提供するノウハウは、この頃から受け継がれてきたものかもしれません」(冨永さん)
ジョイフルといえばジューシーなハンバーグメニューが有名ですが、肉には合いびきを使わない牛肉100%を徹底。さらに、ソース等も自社工場で製造します。こうしたこだわりも、「元焼き肉屋」ならではだったのです。
●ジョイフルが西日本民に愛される理由
現在では全国に約650店舗を展開し、じつは日本で3番目に多い店舗数を誇る巨大チェーン。それだけ多くの人に愛される理由はなんだったのでしょうか。
「まず、ひとつめは安さです。税込500円でライスまたはパンがつく『日替りランチ』をはじめ、ほかのファミレスチェーンに比べると、価格帯をおさえつつもボリューム満点の料理が楽しめます」(冨永さん)
たしかに1品自体の単価はもっと安いチェーン店はほかにもありますが、おなかがいっぱいになる価格を考えると、ジョイフルは非常にリーズナブル。それゆえ、お金がない学生などにもファンが多いのもうなずけます。
では、どうしてそんなに安い価格で料理を提供できるのでしょうか。
その理由はズバリ「立地にある」と山本さんは語ります。
「ジョイフルは、いわゆる繁華街ではなく、ロードサイドや住宅街などに出店しています。たまに、『え、こんなところにもお店があるの?』とびっくりされることもありますね。当然ですが、繁華街に比べると、家賃は比較的安くなる。その家賃コストを下げた部分を、原材料費や人件費にお金をかけることで品質の高いものを安い価格で設定できるのです」(山本さん)
そして、住宅街やロードサイドという人々の生活に密着した立地に出店していることも、ジョイフルにとっては大きな武器になっているのだとか。
「街中よりも生活圏に密着した場所に出店しているため、わざわざ遠出してどこかに行くよりも、近くにあるジョイフルに行くかと来てくださるお客様も多いです。身近な場所にあるからこそ、親しみを感じていただけているのかな、と思います」(冨永さん)
●九州では知らない人はいない?ジョイフルの店舗数
ジョイフル自体は全国展開しているものの、圧倒的にお店が集中しているのは本社・大分県のある九州エリア。東日本では「ジョイフル」という名前を聞いてもあまりピンとこないようで、「ホームセンターですか?」と聞かれたこともあるのだとか。
「東日本では名前があまり知られていないのですが、じつは九州ではマクドナルドさんよりも、ジョイフルの店舗数の方が多いんです。とはいえ、2015年に東京初進出も果たしましたし、九州エリアだけではなく、関東にも少しずつではありますが出店はしています。郊外型のエリアを中心に、良い場所があれば、今後も出店していきたいと考えています」(冨永さん)
安さや居心地の良さ、細かなこだわりなどから、九州民の心を虜にするジョイフル。ぜひ、日本じゅうのファミレスファンのためにも、より一層の全国展開を進めてほしいところです!