マスクをつける生活がすっかり日常となりました。ずっとつけていると呼吸しづらく感じることも…。
「薄いマスク1枚とはいえ、着用すれば、それだけ呼吸をするのに負荷がかかります。いつの間にか浅い呼吸が当たり前になってしまっている方も多いかもしれません」と話すのは、体をゆるめるボディケアを提案する、ボディセラピストの日比響子さん。
無意識にストレスを感じたり緊張しやすくなっている今、心も体もリフレッシュできる呼吸法について教えてもらいました。
浅い呼吸が日常になると心身にダメージが。腹式呼吸でバランスを整えて
どなたも、2020年ほどマスクをつけ続けた年もないのではないでしょうか。ただ、マスク生活が長くなるにつれ、浅い呼吸が当たり前になりやすい点は気をつけたいところ。
1回の呼吸で取り込む酸素量が少なくなると代謝が落ち、血行不良や疲れの原因に。また、自律神経のバランスが乱れてストレスをためやすく、イライラする、ぐっすり眠れない、といった症状も起きやすくなります。そこで取り入れたいのが、深呼吸なんです。
●1日数回、頭をからっぽにしてお腹で深い呼吸をしてみよう
浅い呼吸が定着しないよう、また心身不調の予防として、気づいたときに意識して深い呼吸をしてみましょう。横隔膜が大きく動く腹式呼吸なら、自律神経が整いやすく、リフレッシュ効果も高いです。腹式呼吸は、慣れていないと難しいと思うかもしれませんが、頭でやろうとせず、気楽に行う方が深まります。
●後ろに体を預けてお腹に手を当てて行う
姿勢を正して呼吸をちゃんとしよう、と思うとそれだけで緊張が起こり、呼吸は深くできません。また立って行うのも無意識に体が緊張するので、ここでは、ソファやイスなどにゆったり座って行う腹式呼吸を紹介します。
まず、クッションなど厚みのあるものを背もたれに立てかけます。
後ろに全身を預けるようにして、脱力してラクに座ります。
あごは軽く引き、少しお尻を前の位置にして上体が斜めになるように。背もたれと腰の間にクッションを入れることで、カクンと折れてお腹がつぶれるのを防ぎます。これで頭からお腹まで呼吸が滞ることなく、スムーズに流れるのです。このまま昼寝できそうなくらいリラックスした態勢ができればOK。
●目を閉じて、下腹に肺があるようなイメージで深く呼吸する
下腹あたりに手を当てて目を閉じ、「ここに肺がある」とイメージしながら、息をゆっくり吐いて、ゆっくり吸ってみましょう。手を当てることで、ただお腹に息を入れようとするよりスムーズにできると思います。
無理に深くしようとせず、手でお腹の膨らみを感じながら、ゆったりと自分の心地よいペースで行ってください。繰り返すうちに徐々に深まってくるはず。体に意識が向くことで、普段フル回転している思考も静まり、緊張がほどけます。
あお向けの状態でもできる呼吸なので、就寝前や目覚めたとき行うのもおすすめです。
●マスク生活の新習慣、深い呼吸を身につけよう
体を後ろに預け、体に意識を向け、深く呼吸する。これだけ? と思うかもしれませんが、じつはこれだけのことすら、やる気持ちの余裕がない人が多いのではないでしょうか。
おすすめは自宅でゆっくりやる方法ですが、デスク用のイスでも、背もたれや座面が大きめで腰の隙間にクッションを入れてもたれかかれるならOK。仕事で緊張が続いたときなどに取り入れてみるとリフレッシュでき、気持ちも落ち着いてくると思います。
コロナ禍でストレスを抱える人が増えているのは、マスク生活による浅い呼吸も大きく影響していると思います。ぜひ、深い呼吸を新習慣として取り入れてみてください。