コロナによる影響で、家計が大ピンチに! 失業や減収で、将来の教育費や老後資金が不安で仕方がない…という声も多く聞かれます。
「収入減を補う給付金や奨学金を上手に活用しましょう」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん。ESSE読者の実例をもとに、この難局の乗り切り方を教えてもらいました。

【教育費編】子ども2人の大学進学…。教育費は奨学金も視野に入れて準備を

パソコンの前で悩む女性
進路によっても用意すべき教育費は大きく変わる
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以前は、月15万円の収入があったという大塚まゆみさん(仮名)。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大で収入は0円に。
「長男は来年受験、二男も高校1年生で教育費がかかるし、老後資金準備もあるので、不安でいっぱい…」
そう語る大塚さんに、畠中さんからのアドバイスは…?

●奨学金を借りる額や返済の方法を子どもと話し合う

学資保険などで、子ども1人につき160万円の教育資金を準備している大塚さん。
「仮に自宅から国立大学に通うとしても、学費のほか交通費や教材費がかかることを考えたら1~2年で使いきりそう。奨学金で補うのが現実的です」と畠中さん。

<大学にかかる教育費>

・国立
初年度 82万円
次年度以降 54万円
在学期間合計 244万円

・公立
初年度 95万円
次年度以降 54万円
在学期間合計 256万円

・私立文系
初年度 117万円
次年度以降 94万円
在学期間合計 398万円

・私立理系 
初年度 154万円
次年度以降 129万円
在学期間合計 542万円

・私立医療系(6年間)
初年度 482万円
次年度以降 375万円
在学期間合計 2732万円

※いずれも1万円未満を四捨五入した金額
※資料/国立…文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」の標準額に基づく額
※公立…同「2019年度学生納付金調査結果」より、地域外入学生の額
※私立…同「平成30年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査」

公的制度では、日本学生支援機構の奨学金が代表的。
「無利子で借りられるのは、非課税世帯を除くと成績優秀者ですから、借入額も含め、早めに子どもと話し合いを。ネットなどで大学独自の奨学金の情報も集めて、検討しましょう」

【仕事編】パートやフリーランスでも受け取れる給付金は?

給付金の画面を開いているパソコン

カルチャースクールで書道を教えながら、高校の作文添削も引き受けていた大塚さん。教室の閉鎖や高校の休校で収入がなくなったそうです。このケースでは、どんな支援策があるのでしょうか?

●休業分については給付金の申請も検討を

コロナで減収になった人には、公的な支援策が実施されています。
「大塚さんは、カルチャースクールや学校から個人で依頼を受け、報酬を受けとるフリーランスで、『持続化給付金』が申請できます。月15万円の収入減だと、上限100万円が受けとれるはず」
パートの人なども自分がもらえる給付金を知って、忘れずに申請しましょう。

コロナで減収や休業にみまわれた人は、下のチャートで受けられる支援制度をチェック!

給付金早見チャート

【持続化給付金】

給付額は、「昨年の事業収入-(減収した月の収入×12か月)」(個人事業主は上限100万円)

【小学校休業等対応支援金】

子どもの休校などで仕事を休んだ場合、期間に応じて1日当たり4100円または7500円を支給

【新型コロナウイルス感染症対応休業支援金】

給付額は、休業前の1日当たり平均賃金の80%(上限は1万1000円)×休業期間

もらえるお金と借りられるお金。利用できる制度は見逃さずにしっかりチェック!
まだまだ先の見えない毎日ですが、この機会に将来をじっくり見据えて、今一度家計を見直していきましょう。