インフルエンザの流行や花粉…冬は不調を呼びやすい季節。そこで、ウイルスや花粉に負けない体をつくる方法を、漢方師・櫻井大典さんに伺いました。日々の習慣を見直す“養生”で、病気や未病を防ぎましょう。
冬のゆる漢方習慣「運動編」
食事や日常のちょっとした習慣で体調を整えるのが「ゆる漢方」の考え方。冬の間にきちんと養生しておくと春を迎えるのがう~んとラクになります。
すべての画像を見る(全4枚)●日光浴は背を向けて
太陽は万物の活動の源である「陽気」の大元。天気のいい日はぜひ日光浴をしてみて。
「とくに背中側には『陽』を取り込むツボがいっぱい。背中に日光を当てると体は温まりやすいですよ。窓辺にイスを置いて背を向けてまどろむだけでもOKです」
●座る体勢が続いたら1時間に1回立ち、深呼吸する
腎は腰に収まっているため、座りっぱなし、歩かない…などの習慣は腎を弱らせます。座る時間が長い人は、1時間に1度立ち上がって足踏みや屈伸をして。
「また、中医学では、呼吸によって大気に満ちているエネルギーを取り込み、自らのエネルギーに変えると考えます。立ち上がったときには深呼吸をしましょう」
・鼻から息を吸ってそれが背骨を通って、おへその下(丹田)までしっかり充満していくイメージをもつ。肩が上がらないように注意。
・深く呼吸するポイントは、しっかり息を吐ききること。おなかがへこむのを感じながら、口からゆっくりと時間をかけて息を吐き出す。
●腰にあるツボ「腎兪」を温める
冬にいいツボの代表が「腎兪」これはおへその高さで腰に手を置き、親指が届いたところにあって、「腎」の働きを刺激するツボです。
「お風呂上がりのマッサージや、日中に使い捨てカイロを貼っておくだけでも効果的です」
●なるべく日常的に歩く。土の上だとなおよし
「腎」を守るには足腰の強化がとても重要。そのためには物理的な振動を腰回りに与えることが大切で、手軽なのが歩くこと。
「平らな道でなく、凹凸のある土の上で自然を感じながら散歩をすると、より効果的に足腰が鍛えられます。車や自転車よりも徒歩を選んでみて」
●冬は本来“こもる”季節。激しい運動は避ける
冬は潤い(陰)が減るのを極力避けたい時期なので、汗をたくさんかくような激しい運動は避けましょう。「冬の間はじっと内側にこもって力を蓄えておくと、春が来たときに活発に動けて、夏までも元気に過ごすことができるのです」
腎が弱いと老ける?若々しさの秘訣は腎の養生にあり
腎は、生まれたときは発達段階にあり、30代でピークを迎えます。
「養生ができていないと腎は急激に弱ってしまい、『老けてしまう』ことに。年齢を重ねても、足腰が真っすぐで頭もはっきりし、若々しい気力に満ちるためには、食事や習慣で『補腎』、つまり腎を弱らせないよう養生することが秘訣です」
●補腎3か条・足腰を冷やさない
・足腰に刺激を与える
・早く寝る
「腎は体を温めるストーブ 腎は体を潤すダムです」