初めに私が数えようとした時点では、明らかかなりの紙幣の枚数をごまかそうとしていたのを目の当たりにしたので、「こんなに堂々と街のど真ん中のお店が詐欺みたいなことをするのか」と驚いてしまいましたが、彼女が左側の手に持っていたお札も合わせて無事に受け取ることができたので、ホッとしてそのままホテルに戻ってしまいました。
ところが、ホテルの部屋で落ち着いてお札の枚数を数え直してみると、まだ3000円分くらい金額がたりていなかったのです。窓口のお姉さんの勢いにびっくりして、2度目はお札の枚数を確認することを失念してしまった私の落ち度でもありますが、まさか2度も重ねてごまかされるなんて思いませんでした。
「みんないい人」という、私の勝手な思い込みと油断があったことは言うまでもありませんが、その失敗を現地の人に話したら、「あのお店はラオス人ではなく、別の国から来た人たちがやっているんだ。よく旅行者ともトラブルになっている」と、かなり悪評高い両替所だったことが判明。
ちょっと悔しい気持ちになりましたが、少額の被害ですんだし、改めて海外では油断してはいけないという勉強にもなりました。
●現金もクレジットカードも使えない!?電子マネートラブル
中国の首都・北京を旅行中、私は雑技を鑑賞してみたくなり、市内中心部にある劇場に出かけました。劇場はホテルからも近かったので、チケットは当日、窓口へ行ったらクレジットカードで購入することができました。
わくわくしながら会場へ入り、開演まで少し時間があったので、売店でジュースを買おうしました。ポップコーンなどの軽食も売っています。
ところが店員さんに、「支払いは電子支払いのみになります。そのスマホにWe Chatのアプリは入ってないの?」と言われてしまいました。
「We Chat(微信)」とは、中国のIT企業「テンセント」が作った無料インスタントメッセンジャーアプリ。LINEのようにチャットや通話、ニュースを読んだりするだけでなく、「WeChat Pay」という機能を使って、支払いや個人間での送金まで気軽にできると、中国で大人気です。
実際、旅行中、スマホにWe Chatを入れていたおかげで、ホテルや飲食店でのFree WiFiの認証作業がスムーズでとても助かっていました。しかし、「WeChat Pay」の機能は、中国の銀行に口座をもっていたりしないと登録自体がかなり困難。チャージに利用できるクレジットカードも中国国内で発行されたものとなっており、海外からの旅行者にとっては、かなりハードルが高い決済方法といえます。
しかし、北京の街を見渡せば、小さな屋台の店先や道端の募金活動にも「WeChat Pay(微信支付)」や「アリペイ(支付宝)」などの電子決済サービスが導入されており、キャッシュレスな生活が当たり前のように浸透しています。
一方で、多くの旅行者は、私のように決済難民になってしまうことも珍しくありません。まさかこんな観光スポットまでクレジットも現金もNGになっているとは知らず、外へ買いに行く時間もなくなってしまったので、私はジュースを我慢して雑技をみることになりました…。
でもこんなちょっとしたトラブルも、いい思い出になる海外旅行。これからでかける人も、ぜひその国にあったお金事情をしっかりチェックしてから出かけてみてくださいね。