お盆休みに実家に帰省された方も多いのではないでしょうか。「日本だけではなくフランスでも、ゆっくりお休みが取れる夏に実家やその地方に帰る人が多い」と話してくれたのは、フランス人の夫と暮らし、文化についても詳しいエッセイスト・ペレ信子さん。フランスの地方での夏休みの過ごし方をレポートしてくれました。
すべての画像を見る(全6枚)家庭菜園の野菜や果物をいただくのが夏のぜいたく
フランス人が地方の「実家に帰る」と言うときは、すなわち「自然のなかで過ごす」ことを意味しています。
実家がパリやリヨンなどの大都市だと、そういうわけにもいかないかもしれませんが…。地方では、自宅では消費できないほどの野菜や果物を家庭菜園で育てている家庭が多いのです。
夏になると、近所の人との立ち話の話題は、自分の家のトマトはどれくらい赤くなったか、ズッキーニやキュウリが何本くらい収穫できそうか…など。ガーデナーの腕自慢&情報交換会になっているのをよく見かけます。
今年は、夫の実家で古くなったサクランボの木が危ないので、切り倒したそうです。そのおかげで今まで収穫しにくかったサクランボがたくさん手に入り、チェリージャムをつくって、皆さんにお裾分けしているそう。
最高のぜいたくな食事は、もちろん庭やテラスで
久しぶりに会う家族や親戚が家での食事に招いてくれたら、「テラスで」や「庭で」を想像して心が弾みます。もし普通に「屋内で」だったらなんとなく寂しいものです。
この夏、40代の夫のいとこが久しぶりに家に招いてくれました。自然たっぷりのスイスとの国境にあるその家は、19世紀には国境を超えていく人のための宿場レストランだったとのこと。数年前にその家を手に入れて直しながら住んでいるそうです。
そこでごちそうになったのは、収穫した野菜を中心としたヘルシー料理。今はベジタリアン料理も普及していますし、グルテンフリーやアレルギーに気をつけた食事も増えてきました。いとこの中高生の子どもたちも野菜をよく食べています。
今回お母さんがデザートにつくってくれたのは、卵・小麦粉を使わないクルミケーキでした。