祖父の代から80年続くベジタリアン家庭で育ってきたマンガ家のゆきち先生。
ベジタリアンとは、菜食主義とも言われ、肉や魚、卵などの動物性食品以外の食生活を送る人のこです。

ただでさえ高くつく無農薬野菜を三食食べていたというゆきち家。家計はどうだったのでしょうか?

野菜は大量購入が基本。ゆきち家で起きていたこと

エンゲル係数を算出している様子のイラスト
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子どもの頃から、とにかくよいものを食べていたと思います。よいものとはいっても、残念ながら高級フレンチやお寿司、ステーキなどではありません。

ただ焼いただけのタマネギとか、ふかしたイモとかです(笑)。

25~30年前の無農薬野菜は、今よりもずーっと高級だったのです! 理由のひとつは、現在のように健康食品専門のスーパーや定期宅配がなく、自分たちで農家さんから直接買う必要があったから。

農家さんが1世帯分だけの少量を配達してくれるわけもなく、野菜は1度に「最低でも10世帯分の量」を購入するのが条件でした。

現在は健康意識の高まりとともに生産量が増えて価格が下がったけれど(それでも高いですが)、当時は本当の本当に高かった!

その高い野菜を大量購入したうえに、トラックで持ってきてくれる農家さんへの交通費も必要となるわけで…そりゃあ飲食費がバカ高くなります。

たくさんの種類の料理が並ぶ様子
とにかくたくさんの種類の食材(おもに野菜)が出てきました。そりゃ高くつきます

「子どもたちにいいものを食べさせる!」
という母の強い意志が、娯楽費、交際費、衣類費もろもろすべての出費を抑え込んだ。
とくに衣類費の抑え込みは凄まじく、父に関しては、僕らが子供だった約15年間、私服を一着も買っていません。
にわかに信じがたいことなので繰り返します。15年間、私服を一着も買っていません!!!

父が20代半ば〜40歳くらいまでの写真を通して見ると、ずーーーーっと同じ格好をしていて顔だけ老けていきます(笑)。
健康的な食事のために、父もよく頑張った(涙)!

話を母に戻します。母は少しでも野菜の購入負担を減らすために共同購入する仲間を探しますが、高額な上に虫食いの野菜(※第3回目を読んでね)を買いたいという仲間はそう簡単には見つからず大苦戦。
それでも10年以上活動を続けているうちに、仲間が仲間を呼び、最終的に共同購入者は25人以上に増え、エンゲル係数はゆるやかに下がったという。

めでたしめでたし。

…余談。
僕はよく玄関に靴を出しっぱなしにしていて怒られましたが、それはマナーが悪いからでも風水的によくないからでもなく、靴が出ていると農家さんから届いた野菜と米を玄関に置けないからであった。

「玄関は食べ物を置くところじゃないだろ!」とこっちが怒りたかった(笑)。

【ゆきち先生】

マンガ家。栄養士。雑誌『みこすり半劇場』でデビュー。生まれたときから、高校生までベジタリアンとしてオーガニックに育つ。テレビ番組『人志松本の○○な話』に出演し、すべらない話に認定された過去もある。インスタグラム(@yukichikakiuchi)に投稿中の「ゴロ合わせ英単語をUPする英語垢」がじわじわ人気に