海外で暮らすと、日本人でもその国の人の雰囲気に近づいていくことがあります。フランス文化研究者・翻訳家のペレ信子さんは、この夏フランスに滞在中に「フランスに住む日本人」と「日本に住む日本人」の違いを感じたそう。「かぶれているとは違う、フランスに溶け込む日本人から海外旅行や暮らしを楽しむヒントがある」と話すペレさんが、フランスに住む日本人の服装やふるまいについて語ります。
すべての画像を見る(全4枚)日差しが強いときはサングラス?それとも日傘?
フランスの夏に欠かせないものとしてサングラスがあります。
目の色が薄い人はまぶしさに弱いのか、日差しが強いときにサングラスをかけている人が多いです。最近、日本でもサングラスは珍しくなくなりましたが、街行く人がみんなかけているというわけではありません。
一方で、日本では帽子や日傘、日やけ防止グッズが人気ですが、フランスで見かけるのは帽子ぐらい。日傘はまったく見かけません。
フランスに住む日本人の方も夏はサングラス率が高く、帽子は少数派。私もフランス暮らしをきっかけに、夏はサングラスをするようになりました。サングラスをかけると確かに目がラクに感じます。
日差しが強いときに守るのが目か、頭か、という違いがおもしろいですね。
ファッションは「パンツスタイルにぺたんこ靴」が基本
今はSNSでフランスの街の様子が日常的に見られるようになりました。実際の様子が伝えられているように見えますが、その国や街の空気感は伝わっていないと感じます。
たとえば、SNSに投稿されているたくさんの美しいフランスの街の写真。実際にはゴミが散乱している場所もありますし、少し治安が悪いところもあります。
東京ではきれいな服や細いヒールの靴、長くてふわふわのスカートで街を歩いてもまったく問題ありませんが、パリでは服や靴が汚れてしまわないか不安なときもあるぐらいです。
そのためでしょうか。フランス、とくに都市部在住の日本人の方もパンツスタイルで颯爽(さっそう)と歩いている人が多いと感じます。ちなみにパリの人は歩くのがかなり早いです。
フランス在住の女性はパンツ姿であっても、トップスは胸元が開いたシャツやさりげないアクセサリーを忘れません。ですが、ファンデーションからしっかり塗るようなお化粧をしている人は少なく、フランス生活が長い日本人の方もマスカラとリップ程度のすっぴんに近い人が多い印象です。