忙しいと時間に追われているような気持ちになり、ストレスを感じてピリピリしてしまい、それが周囲にも伝わってしまい、反省…。なんて経験をしたことがある人も少なくないのではないでしょうか? 著述家の中道あんさんも同様だったそう。しかし、中道さんはものごとに取り組むときの心構えを意識的に変えたことで、心に余裕がもてるようになった、と言います。どのような意識改革をおこなったのか、詳しく教えてもらいました。

犬の散歩をする中道あんさん
中道あんさん
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なにかにつけて「忙しい」って言っている自分

ある日、ふと「私、このままずっと『忙しい』って言いながら歳を重ねていくのかな?」って思ったんです。

しかも、なにげない日常のシーンで、娘から「今ちょっと話しかけてもいい?」と尋ねられ、「あぁ、私って余裕がなさそうな雰囲気なんだ」と気づいたのです。人と会えば、「相変わらず、お忙しいんですか?」とも聞かれます。

これは、自分が思っている以上に、「忙しい」というオーラを放っているからだと思うのです。「忙しい」と口にすればするほど、気持ちがあせってしまう。時間に追われているような気持ちになって、心がピリピリしてきます。

だから、もう「忙しい」と口に出すのはやめよう、と決意しました。

そう決めてから、私の時間の流れが少しずつ変わってきました。

「忙しい」と口に出すと脳が戦闘モードに

脳は主語を理解しない、と聞いたことがあります。たとえば、「忙しい」「疲れた」「時間がない」と口にすると、脳は「今、自分はストレス状態だ」と受け取るそうです。

「忙しい」と言った瞬間から、脳は戦闘モードになります。呼吸は浅くなり、心がセカセカして、余裕がどこかへ行ってしまうものです。

忙しいという代わりに「作業が多い」などと言い換えるのも一案ですが、私は言い換える言葉を探すよりも、なにも言わないことにしました。そうすると、「忙しい」と言うから忙しく感じるのであって、なにも言わなければ、それが日常になり、心も平常運転でいられる、ということに気づきました。

脳って言葉にとても影響されるんだな、と実感した体験でした。