編み物は無心になれて満足できる
すべての画像を見る(全4枚)編み物のいいところを伺うと、「無心になれること」との回答が。編み始めると夢中になってしまい、時間を忘れてしまうそう。編んでいる最中は完成するのが待ち遠しく、完成すると大きな満足感と達成感が得られると話します。
そんな編み物好きな人の頭を悩ませるのが、「編んだものをどうするか」。手編みのニットはかさばるので、全部手元に置いておくのが難しいですよね。おそらく自分がつくったものに思い入れのある人ほど、どう保管するかで悩むのではないでしょうか。
「幸か不幸か、私は編むこと自体が好きなだけで、編んだものに対する愛着や執着がほとんどありません。常に新しいものを編むことに気持ちが向かっているので、だれかに『それすてきね』とほめられると、『よかったらもらってくれない?』と言って譲るようにしています」
とはいえ、材料費がかかっているので、すべて無料で差し上げるというわけにはいかないもの。「材料費分をいただけるのなら、という条件つきになってしまいますが、ありがたいことに喜んでもらってくれます」と語ります。
「それでもまだまだ編んだものが大量にあり、なおかつ糸の在庫も豊富にあります。私の編み物欲も衰えることがないので、ニット類は増え続ける一方です」
夫の形見のペンケースはストッキングで編んだ
編み物といえば、夫の形見のペンケースも堀野さんが編んだもの。材料はなんとストッキングです。美容部員の仕事を始めた頃、まだ女性のズボン姿は一般的でなく、もっぱらスカートをはいていたと話します。
昔のストッキングは今よりも破れやすかったそうで、山のように積み上がった伝線したストッキングを見ていたときに閃いたのが、「これを毛糸がわりにするといいのでは?」ということでした。
「ストッキングを輪切りにすると一本の長い糸になるので、それを使って編んだのがペンケースというわけです。夫はこれをいたく気に入って、『もう古びてきたから、もっといいのを買えば?』と言っても、『いいんだ、これが使いやすいから』と終生手放そうとしませんでした」
堀野さんの著書『102歳、今より元気に美しく』(朝日新聞出版刊)は現在発売中。大好きな編み物の魅力のほか、心をきれいに保つモットーや「好きなこと」で働き続ける秘訣など、人生を楽しくするヒントがたっぷり掲載されています。
