ずっと元気で美しく過ごすためには、心の健康をキープすることも大切です。そんな理想の暮らしを体現しているのが、102歳の現役美容部員・堀野智子さん。「自分が機嫌よくいれば、おのずと他人の顔色は気にならなくなる」と語る堀野さんの生き方を、著書『102歳、今より元気に美しく』より一部抜粋してご紹介します。
すべての画像を見る(全3枚)ご機嫌をとるべきは「人ではなく自分自身」
朝いちばんにお化粧をすることで体と心に「活」が入り、気分が上がると話す堀野さん。
「よく人様から『堀野さんはいつも明るく元気でいいね』と言われるのは、そのおかげかもしれません」(堀野さん、以下同)
好きなものをもつというのは自分を楽しませ、自分自身の「ご機嫌をとる」ことにもつながっていくと思うからです。人様の顔色を気にする人は多いですが、自分のご機嫌をとる人はあまりいないのではないでしょうか。
「でも本当にご機嫌をとるべきは人様ではなく自分自身だと思うのです。だっていちばん長く親密につき合わなくてはならないのは自分自身だから。それに自分が機嫌よくいることを中心にすえれば、おのずと他人の顔色は気にならなくなっていくでしょう」
なかには「あの人、いつも楽しそうで気に食わない」という人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は不機嫌な人よりも上機嫌な人といるほうが気分はよいとも話します。
幸せの根底は「今のことだけ考える」生き方
自身のご機嫌をとることに関しては「達人って言ってもいいんじゃないか?」と自負しているという堀野さん。
「おしゃれと手仕事が好きで食いしん坊なので、かわいいものやきれいなものに触れたり手を動かしてなにかをつくり出したり、おいしいものを食べられたりすればそれで幸せなのでね」
その人生の根底にあるのが「今」がよければそれでよし、という考え方だと語ります。
「先のことなんて誰にもわからないので長期的な目標を持つこともありませんでしたし、起こったことは変えられないので過去のことをいつまでも後悔しないようにしてきました。だって厳密に言えば、人には常に『今』しかないからです。過ぎた時間はとり戻せないですよね」
●「今、楽しまなくてどうするの?」
また、漠然と自分には明日も明後日もあるような気持ちになっていますが、じつは一瞬先のことだってわかりません。早くに実母を亡くしている堀野さんは、若い頃から人の寿命というのは決してわからないものだと思って生きてきました。「今、楽しまなくてどうするの?」が根幹にあるから、できるだけ機嫌よくしていたいと語ります。
「不機嫌でいるのって、周りの人をハラハラさせもしますが、だれよりも自分がいちばん苦しいのではないかと思うのです。苦しみ続けるなんてとてもできそうにないので、だったら楽しいことを考えて自分で自分のご機嫌をとってあげよう、というのが私の考え方です」