年齢とともに増える、心身の不調。そんなとき、「がんばりがたりないだけ」と、自分を責めていませんか? ここでは、自分を労わることと甘えとの線引きに悩んできた文筆家の朝倉真弓さん(50代)が、ほどよく肩の力を抜けるようになった気持ちの変化などについて語ります。

朝倉真弓さん
体の不調をきっかけに、朝倉真弓さん(50代)が思ったこととは?
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「理由のわからない不調」に直面して…

本とコーヒー
「好きなことをする時間」を確保していますか?

最近、耳に軽い違和感を覚え、病院を受診しました。「もしかして、これが加齢による“聞こえにくくなる”っていうこと?」と不安になりながらの受診でしたが、幸いにも難聴の兆しはなく、薬で様子を見ることに。

診察の終わりに先生がひと言、「年齢的なこともありますからね」とおっしゃいました。

私も気づけば50代。不調を感じる場面が増えました。頭痛、肩こり、だるさ、気力の波…。困ったことに、不調の数を挙げはじめたらキリがありません。なんなら、朝起きた瞬間から不調を感じる日だってあります。

とはいえ、いちいち立ち止まっていられない日々。仕事も家のことも、細かなタスクが山積みです。ついつい、「もう少しがんばろう」と自分を奮い立たせることに慣れてしまっています。

「休む」と「怠ける」はなにが違う?

私たち世代はとくに、がんばることは「美徳」、手を抜いたりラクをすることは「怠け」や「甘え」という価値観のもと生きてきた人が多いのではないかと思います。でもそれって、本当に正しいのでしょうか?

先日、私はインスタグラムでウォーキング専門の新しいアカウントを開設し、毎日情報発信をしていました。発信は、仕事の一部。フォロワーの方々との信頼構築も大切です。けれど、どうしても身体が(とくに眼精疲労がたまった目が)悲鳴をあげてしまった日があったのです。

そこで、思いきってスマホを見ない日をつくることにしました。数日分の投稿をあらかじめ作成してあったこともあり、「休みたい」という気持ちを優先したのです。

それでも、なにも困ったことは起こりませんでした。だれかが言っていた、SNSは「毎日投稿しなければならない」「毎日リアクションしなければならない」というのは、私の思い込みだったのです。