50代でスペインに単身留学中のRitaさんが、3年の留学で最も衝撃を受けた「海外の年齢に対する考え方」について紹介します。スペインでの暮らしを通じて出会った人々は、「年齢を忘れて生きている人」が本当に多いそう。年齢を理由に諦めることなく、今を楽しむそんな彼らの共通点を5つレポートしてくれました。

カラフルな服の女性2人
カラフルな服を着た女性(※画像はすべて著者撮影のイメージ写真です)
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1.「若づくり」ではない「好きな服」を着ている

カラフルな服

スペインで出会った60代、70代の女性たちの服装は、みんなびっくりするほど色合いが鮮やかです。でも、「若く見せよう」としているわけではなく、ただ、自分の好きな色、好きな素材、好きなスタイルを楽しんでいます。

ピンクもオレンジも緑色も取り入れ、たとえ歩みがゆっくりでも、杖や歩行器を利用していても、その後ろ姿はエネルギーにあふれています。

日本にいると、「年相応」に生きることを求められがちで、洋服すら「もう年なんだから地味に」と言われがちですが、こちらでは「その歳だからこそ、着たいものを着る」が当たり前。

「似合うかどうか」より、「自分が気持ちよくいられるかどうか」が大切みたいです。

2.年齢を語らない。聞かれても笑顔で流す

派手なショップのウインドゥ

「おいくつですか?」という質問、じつはスペインではほとんど聞かれることがありません。ここでは、年齢がその人の枠を決めることはなく、他人の年齢にもあまり関心がないんです。年齢が自分を定義するラベルにはならず、「そんなのどうでもいい、毎日を楽しめていればそれで十分!」というポジティブな考え方が浸透しています。

実際、留学生仲間には、80歳の女性や70歳の男性がいました。毎朝の散歩が欠かせない日課だったり、週末には必ず小旅行に出かけるなど、年齢にとらわれず活発に過ごしています。

また、長年海外で暮らしている80代の日本女性とも出会いましたが、「年齢を重ねるごとに、もっと学びたくなる」「やりたいことが多すぎて時間がたりない」と、常に前向きでエネルギッシュな姿に、思わず感動し、尊敬の念を抱きました。

彼女たちにとって大切なのは、「何歳か」ではなく、「今をどれだけ楽しめているか」。年齢という枠にとらわれず、毎瞬間を生きる姿勢が、とても魅力的に映ります。

3.年齢を言い訳にしない。できない理由より、やりたい理由

街中でスケッチをする人

たとえば、63歳で絵画を始めた女性。

「若い頃やってみたかったけれど、忙しくてね。でも今は時間もあるし、体もまだ動くから」と言って、週に2回スクールに通い、週末は街角でデッサンしているそうです。

やってみたい、動いてみたいという気持ちに、年齢のブレーキをかけない。

だれからも「もう無理」なんて聞きません。「今から始めてなにになる?」じゃなく、「今だからこそやれるじゃない?」という感覚。

それが、彼らの若々しさの正体かもしれません。