80代のフランス人マダムが友人を自宅に招くときのおもてなしについてご紹介します。フランス生活文化エッセイストのペレ信子さんは、友人のフランスマダムの暮らしのルールや考え方がすてきでよく参考にしているそう。ここでは、シンプルなのに心温まるおもてなしランチについてレポートしてくれました。

キッチン
キッチンも整然と片づいています
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おもてなしはサラッと招くことができる平日ランチがおすすめ

ランチ

80代の友人は、忙しく働いていた現役時代から時間が自由になった今でも、毎日の暮らしを自分らしく過ごせるよう、「ひとりでゆっくりする時間」「社会に貢献する時間」「会いたい人と会う時間」をうまく組み合わせていて、そのスケジュールはほどよく埋まっています。週に2〜3日はボランティアでフランス語を教えていますし、お招きも定期的にしている様子。

今回は仲のよい友人(現役でお勤めしている人)をランチタイムに招いた日のことを例に、そのおもてなし術を見せてくれました。

フランスでは仲のよい人とは割とこまめに連絡を取り合います。忙しければショートメッセージですませますが、できれば電話で声を聞くようにしている人が多い印象です。

彼女の場合は、電話で長話するより「会う派」。平日のランチタイムに友人をよく招くそうです。フランスの地方では昼休みを2時間取るところもあるので、この日は12時から14時のランチ。約束を取りつけたのはなんと前日。

シンプルな軽い料理と2種類の水が定番

ランチ

時間制限があるからこそ、近況に加えて自分の考えや聞いてほしいことをまとめてテンポよく話すように心がけるそうです。お互いに時間は大切だとわかっているし、終わりの時間が決まっていないとダラダラと余計なことやウワサ話などをしてしまうので、それを防ぐこともできるのだとか。

この日は午前中にキッチンでササッとランチを用意したそうです。

前菜は春らしいホワイトアスパラガスをゆでてマヨネーズを添えたもの。メインは豚ヒレ肉をオーブン焼きにし、つけ合わせの野菜は缶詰を温めたもの。

飲み水はラベルがかわいいワインボトルにを入れて、水差しの代わりに。このほかにも炭酸水も用意し、2種類の水を出すのが彼女の定番だそうです。