いつ起こるかわからない大地震。地震大国・日本において、いつ起こっても大丈夫なように備えておくことが大切です。地震が起こったとき、自分の身だけでなく、離れて暮らす家族は大丈夫だろうか、と心配になることと思います。 今回、国際災害レスキューナースの辻直美さんに、ものが多い実家の防災化に役立つ「3つのステップ」を教えてもらいます。
実家の防災化の進め方「3ステップ」
実家はものにあふれていて、地震が起こったら親は大丈夫だろうか…そんな心配をしている人も多いのではないでしょうか? 離れて暮らす親の命を守るため、「地震に強い実家」にする3つのステップを説明します。
●STEP1:「心配している」と伝える
「危ないから捨てるよ!」「どうせ、使ってないやん!」と一方的に片づけを始めても、もめるだけ。「地震で死んでほしくない」「生きていてほしい」という気持ちをきちんと伝えましょう。
「親世代にとってものをもつことはある種、幸せの証し。それを片づけるのですから、説得するのではなく納得してもらうことが大切です」(辻さん)
●STEP2:一緒に災害のシミュレーションをする
「揺れたときにとるべき行動を客観的にアドバイスするといい」と辻さん。たとえば、「キッチンにいたら、まずはテーブルの下に逃げてね」と言いながら、一緒にテーブルの下に入ってみるといいそう。
「もしそこに梅酒のビンが置かれていたら、『これは危ないね』と言って収納場所を考える。一緒にやるのが重要です」(辻さん)
●STEP3:まずは寝室から着手する
キッチンなどはものが多すぎて、途中で挫折しがちです。実家のなかで比較的、ものが少ない寝室から始めて、達成感を味わってもらい、防災と片づけのモチベーションを維持できるようにします。
「また、寝室から着手するのは、即座に対応しにくく、より危険な就寝中の揺れに備えるためでもあります」(辻さん)