毎日の料理は手際よくすませたいものです。流れるようにできるか、はたまた、キッチンを行ったり来たりしないとできないか…。そのどちらかは、収納の仕方次第なのです。

「狭い空間だからこそ、行動パターンは限られているはず。自分の行動に合わせて、必要なものを機能的に収納すれば、使いやすいキッチンに大変身! 空間もスッキリしますよ」

そうアドバイスするのは、整理収納アドバイザーの小林尚子さん。料理がスムーズにできるキッチンとはいかなるものなのか?調理道具と調味料の上手な収納術を、小林さんのお宅を例に解説していただきました。

どの場所でいちばん使うかを重視してものの置き場を決める

どの場所でいちばん使うかを重視してものの置き場を決める
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料理をつくるときに使うものといえば、食材を除くと、フライパンや鍋などの調理道具と調味料。「この2つの置き場所をしっかり定めれば、調理は格段にスムーズになります」。

●フライパンや鍋の置き方

フライパンや鍋の置き方
「道具」と「調味料」のしまい方を変えれば、料理の作業効率がぐんと上がる

これらはコンロで活躍するものなので、コンロ下に収納しています。仕切りつきの収納ラックを設置して、そこに立てると便利。仕切りは鍋やフライパンなどの大きさに合わせて調節できるようにすれば、サッと出し入れ可能。見た目もスッキリです。もちろん、鍋やフライパンの数を絞ることも大切。だからこそ、毎日使っても丈夫なものだったり、扱いやすいもの、テンションの上がるものなど、自分の好みにあった道具をそろえるようにしています。

●ボウルやザル、バットの置き方

ボウルやザル、バットの置き方

ボウルやザル、バットは、野菜を洗ったり切った食材を入れたりなど、シンクや調理台で使うもの。そのため、シンク下に収納しています。こちらも必要最低限の数だけを持つようにしていて、わが家では写真に写っている数だけです。少ないと感じるかもしれませんが、フライパンをボウル代わりにも使ってそのまま調理するなど工夫の余地はいろいろあるはず。だから、まったく不自由しません。

●菜箸やお玉などの置き方

菜箸やお玉などの置き方

菜箸やお玉などは、コンロの脇などにツールスタンドなどを用意し、そこに立てておくという手もありますが、わが家ではできる限りしまう収納にしています。使うのは、調理台で和えたりするときだったり、コンロで炒めたり、器に盛ったりするタイミングなので、調理台下でコンロ横の引き出しにまとめて収納。

●調味料の置き方

調味料の置き方

常温保存可能な液体調味料は、容器を統一して、コンロ下のフライパンや鍋と同じスペースに収納しています。調理をしながらでもすぐに取り出せるようになっているわけです。並べ方にもコツがあって、右側から使用頻度の高い順に整列させています。わざわざ容器を統一しているのにも理由が。

容器を統一

ビンのサイズをそろえることで無駄なスペースが出ず、すっきり収納することができるからです。また、こんな風にビンがそろっていると、日々の「料理をつくる」という行為が楽しくなります。

コンロ横の引き出しに収納

そのほかの調味料は、コンロ横の引き出しに収納。単に並べているだけに見える引き出しの中にもルールはあって、調理に使うものはコンロ寄りの左側に、そうでないものは右側に置いています。写真のように、500mlのPPの密閉容器に入れ替えているのですが、この容器、上部が丸型なので出し入れするときにつかみやすく、下部が四角になっているのでスペースを無駄にすることなく使えるところが気に入っています。同じ形状のものがたくさん並んでいても、引き出してパッと目につく場所にラベリングしておけば、取り出すのに迷うことはありません。

どちらも透明容器なので、残量が一目瞭然

砂糖など1キロで売られているものは、先の500mlと同じタイプの1L容器に保存しています。どちらも透明容器なので、残量が一目瞭然。ストックは買い置きせずに、少なくなってきたら買いたすようにしています。

料理をスムーズにこなすのにも空間もスッキリさせるのにも、管理しやすい適量の状態にすることは大前提。でも「肉や野菜を炒めながら塩を振りたいな」と思ったときに、塩が手の届く場所にあり、サッと取り出せることも大切です。毎日のことだからこそ、調理道具と調味料が正しい動線に置かれているかを見直してみる価値があるかもしれませんよ。