奄美大島のパン屋はびっくりするほどおいしい
奄美大島はパン屋さんが多い。しかも、どのパン屋さんもこだわりが強い個人店で、びっくりするほど美味しいのだ。
最初に行ったのは、日曜日しか開いていないドーネパン(ほかの日は予約制で無人販売)。粒々の玄米がギュッと詰まった、焼き立て玄米キッシュが最高。
サーファーだというベリーショートの女性店主が、1つ1つのパンについて丁寧に説明してくれる。冷凍されたパンは「トースターで焼くと、ふっくらになりますよ」と言われたとおり、玄米食パンはもちもち、イチジクのパンはしっとりで、毎朝の楽しみになった。無農薬の玄米、天然酵母、奄美大島の黒糖など素材にこだわっているのもうれしい。
人生でいちばんおいしいメロンパン
次に行ったのは、奄美在住の友人が「人生で食べたなかでいちばんおいしいメロンパン」と絶賛するパン工房 麦の実(龍郷店)。入り口の前に大きな石窯があって、入った途端、薪の燃えるいい香りがぽわ〜んとする。
1個だけ残っていたメロンパンを買おうとしたら、ご主人が石窯から出したばかりのメロンパンに変えてくれた。包み紙を閉じないのは、熱がこもってパンがしけらないようにだという。
いちばんおいしい焼き立ての状態で食べなければと、ファミマでコーヒーを買い、海辺のベンチでおやつタイム。バッグに入れていたからか、ちょっと小さくなっていたが、クッキーのようなサクサク感で薪の香りがした。たしかに絶品。
旅はおいしいものをさらにおいしくする
ひとりドライブの途中で寄ったのは、古民家の大家さんに教えてもらったココロ晴れるパン日和 晴れるベーカリーだ。ちなみに、オーナーは違うが、奄美市には雨ノヒパンという店もあるという。単なる偶然か、シャレなのか、どちらかが対抗したのか経緯が気になり、何人かに聞いたが、だれも知らない。
ハムとチーズのホットサンドを店内で焼いてもらい、外のテラスで遅めのランチ。山田珈琲も一緒に注文。こちらも空港の近くにある有名店で、晴れるベーカリーのパンに合わせてブレンドしているとか。
ホットサンドは5分かけて焼くというだけあって、外がカリッとして中はふんわり。チーズが濃厚。たしかにコーヒーもよく合う。自然のなかのテラスで食べる。お腹がいい感じに空いていた。いい天気。冬なのに暖かい。そして、気ままな旅…。おいしいものをさらにおいしくする最高の条件だった。
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