大の漫画好きとしても知られるTHE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さんが今イチオシの作品を紹介。ここでは、高見沢さんが「一種のホラー!?」と感じるほど驚異的だったという、新感覚グルメ漫画について語ります。
一種のホラー!?ドカ食いの狂気が押し寄せる
『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』まるよのかもめ/著 白泉社刊
1700キロカロリーの照り焼き弁当や4合のオムライスなど、ハイカロリーの料理をドカ食いして幸せを感じる望月美琴。豪快な食べっぷりと、その後の酩酊(めいてい)状態までをセットで楽しめる、新感覚グルメ漫画。

ドカ食いダイスキ!もちづきさん1(ヤングアニマルコミックス)
タイトルのインパクトに引き寄せられて読んだ本作は、グルメコミックの枠を越えた独特な世界観が展開されていました。とにかく、主人公で会社員の望月美琴さんの食事シーンはタイトルどおり驚異的で、その摂取カロリーの高さには思わず顔が引きつってしまいます。
たとえば、残業の夜食にメガ・カップ焼きそばを2つも平らげるなど、彼女の狂乱じみた食欲は「一種のホラーかな?」とも思いましたが、物語が進むにつれ、彼女のほのぼのした魅力がドカ食いの狂気を和らげ、ほっこりした笑いをもたらすコメディへと変わっていきました。
豪快に食べたあとの血糖値の上昇による酩酊感を「至る」と表現したり、ドカ食いのあとに「背徳感こそ悦楽への道」と呟(つぶや)いたり、文学的な表現もすばらしいですね。
この作品は、食べることの楽しさや、リラックスすることの大切さを再認識させる一方で、飽食の時代へ警鐘を鳴らし、健康的な食生活の重要性を唱えているのかもしれません。